[農業情報マッチョになりたい] ブドウ農家のブログです

ブドウの水分消費量 Grape’s water consumption

ブドウってみずみずしさが命です。
果実に水分を蓄えさせるために、光合成を旺盛に行ってもらうために、灌水を行うことも農家の大事な仕事です。

トンレベルで水を消費

ブドウは水分が多い果樹なので、たくさん水が必要というイメージを持っていたのですが、調べてみると予想以上に多い水を日々消費しています。
下表は、開花後30日ブドウの、10a(1000m2) 圃場の1日あたりの水分消費量です。

最新農業技術 果樹 vol.9 より引用

LAI(葉面積指数)や日射量にもよりますが、晴天日でおよそ3tの水を消費しています。お風呂換算で約15杯分、これを毎日です。
これだけの消費量に対して、降雨で賄えない分は、スプリンクラーで灌水してあげる必要があります。

1日の中だと、日射量が多くなる午後に水分消費量が多くなるので、その前の午前中に灌水することが効果的です。

最新農業技術 果樹 vol.9 より引用

生育期によって灌水量を調整

水を大量に必要とするブドウですが、年がら年中同じだけ水を与えれば良いわけではありません。
満開期〜果粒軟化期 は栄養成長も盛んなためたくさん灌水必要です。
果粒軟化期〜成熟期は注意が必要で、水分過多だと裂果を起こしてしまいます。
裂果はは果皮強度が低下する成熟期に降雨などで土壌水分や空気中の湿度が高くなることにより、根からの給水が増加するとともに、葉からの蒸散が抑制され、果粒内の膨圧が高まって発生します。裂果はしたブドウは出荷できないので経済的ダメージ大きいので、灌水量について最新の注意が必要になります。

ブラックビートは大粒になるので特に裂果が怖い品種です。

かといって、裂果が怖くて灌水減らしてしまうと、気孔が閉じて光合成が抑制されてしまう。なんとも難しい微調整です。

以下、目安となる指標が本に載っていました。

最新農業技術 果樹 vol.9 より引用


これを参考にしつつ、灌水進めますが、最終的には、
「毎朝天気予報を見ながら天気によって灌水量を調整し、栄養成長を抑え、果実肥大が順調にいくように調節せよ」
としっかり注意書きがありました。参考にしつつ、父親の助言も取り入れながら、最適な灌水量を掴んでいく必要がありそうです。

漆黒大粒の大迫力 ブラックビート Black Beat is GO



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