[農業情報マッチョになりたい] ブドウ農家のブログです

草刈り哲学 Philosophy of grass-mowing

ブドウが芽吹き始めました。ブドウが動きはじめということは、雑草たちも動き始めています。今年も、草退治の戦いが始まっています。

農家は草と合戦である Fight Against the Grass

草を刈りで見えてくるもの

地面で栽培する野菜等と違い、ブドウは地面から離れた棚の上で収穫物を栽培しますので、草刈りなんてしなくても、ブドウはなります。それでも、草刈は欠かさず行うのです。
その理由は、草ぼうぼうの畑では、きっと美味しい、見た目の良いブドウがならないからです。雑草に土の栄養を取られ、雑草で病害虫が繁殖し、商品価値のあるブドウはなりません。そして何より、清潔な綺麗な畑で栽培した方が、生産者のわたしたちも気持ちがいいし、テンションが上がります。

もちろん、雑草処理も大きな目的ですが、もう一つの目的は、自分の圃場の現状を細かく把握することです。草刈をしていると、さまざまなインプットがあります。この木は元気がない、去年と雑草の植生が変わった、この棚パイプ傷んでる、この時間にはこんな涼しい風が吹く、などなど。これらの情報が意外と農家にとって重要で、外で手を動かさないと得られない情報です。
父親はよく、少しでも時間があったらとりあえず草刈に出ろと私にいいます。自分がやるのがめんどくさいだけなのでは、と思っていましたが、その指示の意味は深そうです。

草刈のあとはこうなります。ずっとやってたらきっとハルクになれそう。

草と農家の陣取り合戦であって、勝利はない

草刈をずっとしていると、少しずつですがコツを掴んできます。
最近つかんだコツは、雑草の完全殲滅を狙わないこと、です。
圃場に生える雑草たちは、太古の昔から長い年月をかけてサバイバルを生き抜いてきたエリート植物たちです。ほんの数千年前から農業を始めた人類とは歴史が違います。
草刈は草と農家の陣取り合戦であるのであって、人間の完全勝利はあり得ません。日々コツコツと草刈をして、人間の陣地を広げて、優勢を保てばそれでいい。圃場の端から端まで、根元から綺麗に刈り上げることを命題にする必要はなし、疲れている日は草の上部の成長点を軽く刈ってあげるだけで切り上げてもよし、80点くらいでよしとして頻繁に畑に通って草刈を続ければ良いのです。

今日は、乗用草刈機で刈れない、樹のやパイプの周りの草を刈払い機で退治しました。
樹をサクッと刈ってしまうと取り返しがつかないので、こんな時はワイワー式を使います。少しくらい幹に触れても影響がないので安心です。ワイヤーに切れ込みが入った、ノコブレードワイヤが売っていたので刈って試してみました。金属ブレードに比べるともちろん切れ味は劣りますが、思いのほかサクサク切れますし、耐久性もまずまず。おすすめです。

色々試したくなるのも草刈です。

草との戦いは、今年も秋まで続きます。

草刈用ノコブレード

2 COMMENTS

旭川 岩崎爺ーーーです。

納得しました。草刈り 特に [雑草] 嫌ですよねーーーー。刈る手間 圃場を綺麗に 日本人の特性 草に養分を 取られてしまう とか 色々な事を考え毎日々戦いの連続 なーーーるほど 勉強に成りました。 程々にしておきます。 有り難う御座いました。 

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