世界で最も多く貿易取引されている農作物は、「小麦」です。
小麦というとなんとなく、アメリカで大規模農家が作ってるイメージがありますが、そのイメージはもう古いもののようです。
参考文献:マッキンゼーが読み解く食と農の未来
小麦の貿易フローの変化
小麦の主要輸出国の推移をみると。2001年は、米国、カナダ、オーストラリアが中心でした。
ですが、2015年には、ロシア、ウクライナの輸出量が急伸して、北米に並ぶほどに成長しています。
北米もまだまだ多いですが、わずか15年で、小麦の生産地の王座は、ロシア・ウクライナに移っているのです。
あまり気にしていないうちに、私たちの口に入るパンやパスタやうどんの原材料は、いつの間にかアメリカ産からウクライナ産に変わっていたのかもしれません。
目まぐるしく変わる食物の輸出入と政情変化の影響
小麦のように、輸出入に頼る率が高いということは、生産地の政情変化や大規模な自然災害などが起こった場合には、その供給量が激変するリスクが高いということです。
世界で大規模な災害などが起こると、小麦や大豆、砂糖などの動向がニュースの話題になるのも、こうした背景によるものです。
2022年2月下旬の今、まさにロシア・ウクライナで大きな情勢変化が起きています。
小麦の輸出入へのインパクトは小さくないと思われます。
小麦が日本に入って来なくなったら困ります。小麦で商売している方々もいるし、何より小麦を使った料理ってうまい。
ですが、個人的にすごく心配なのが、現地の農家のこと。日々手入れを行なってきた農地が破壊されたり、農地を離れえざるを得なくなったら、、自分に置き換えると胸が張り裂ける気持ちです。
ワーストケース、小麦を食べなくてもしばらく我慢できます。
ですが、一度破壊された農地は、そう簡単に復興できるものではありません。
世界の小麦流通、そして現地の農家、農地、を守るためにも、早期解決を願ってやみません。