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ブドウの年間生育過程 Annual growth process of grapes

春はブドウ生育の一年が始まる季節です。
ブドウはどんなスケジュールで一年を過ごしているのでしょうか?

参考文献:最新農業技術果樹 vol.8

ブドウの生長周期

ブドウは生長(栄養生長)と果実生産(生殖生長)とを行っており、一年を単位とする生長周期を持っています。また、樹体の各部分、例えば新梢、花、果実などについても、生長発育を始める時期、急速に発達する時期など、毎年ほぼ同じ過程をたどって生長するものであり、それぞれ特有の周期を持っています。

最新農業技術果樹 vol.8 より引用

ブドウの栄養周期

ブドウの各部分が生長するために必要な栄養の生産と利用に関しても、一年単位の周期性があります。

まず一つ目が、炭水化物の周期
葉の光合成による炭水化物の生産は、展葉とともに始まり、本葉や副梢葉の増加とともに増大し、秋になって歯が老化すると生産も終了します。この間、この炭水化物は新梢の生長、結実、果実の熟成、根の発達など全ての部位の発達や成熟に使われます。果実の収穫後の光合成産物はほとんどが体内に貯蔵され、いわゆる「貯蔵養分」となって冬季の呼吸や代謝、春の発芽や新梢の生長に利用されます。

もう一つが、無期養分の周期です。
無機養分は、若い細根によって土壌から体内に取り込まれ、炭水化物と結びつくなどして新梢の生長、果実の肥大、根の発達に利用されます。また、秋にも新根が多く発生して無機養分が多く吸収され、これらは秋の光合成産物と同じように根や地上部に蓄えられて貯蔵養分として翌春の発育に重要な役割を果たします。

最新農業技術果樹 vol.8 より引用
枝の中に溜められた貯蔵養分

健全な一年周期が送れるように

なんだか、ブドウの一年周期は企業活動と似ています。
一年を通して、収入を得るために葉で光合成を行い、そのために仕入をしたり経費を使用、獲得した利益は果実として貯め込まれ株主に分配、余った純資産は剰余金として次年に繰り越されます。経費を使いすぎたり、剰余金を残してなかったりすると資金繰りができなくなって苦しくなる。
春の決算を終えて、これからブドウの一年が始まります。まずは、昨年貯めた剰余金を使って発芽のスタートダッシュの春です。ブドウの樹がいい一年を送れるように、農家の仕事が本格的に始まります。

ブドウの生育を物質生産で捉える Grape Growth in Terms of Material Production

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