野山の野生の果樹も実をつけます。しかし、野山の果樹は、概して商品になるような実がなりません。野山の果樹と栽培果樹。その決定的な違いは、剪定されるか、されないかです。
参考文献:果樹栽培 実つきがよくなる「コツ」の科学
剪定で結実アップ
野山に自生している栗などの果樹は、剪定をしなくても毎年結実しています。剪定をしなくても良いのでしょうか?
結論をいうと、剪定しないと全く結実しないわけではありません。結実部が外周部だけになり、収穫量が減ります。というのも、枝は効率よく光合成するために、日光を求めて枝を日向に向かって伸ばす傾向にあります。また、日陰になった部位からは新しい枝がほとんど発生しません。そのため、木は大木になると同じ木の中で枝同士が日光の奪い合いをして、枝を先へと伸ばし、結実する部位が年月を経るに従って、外周部に限定されます。しかし、子孫を適度に増やすだけなら、外周部の結実で十分なのです。
一方、果樹栽培は収穫を主な目的としているので、剪定により、木の内部に日光が当たるように枝を間引き、気を若返らせて収穫量を効率的に確保したほうが良いのです。