春の発芽を迎えるとブドウ農家は一気に忙しくなります。2022年の発芽予想は4/23日頃であと一週間あまり。
発芽前に済ませておきたい作業を日々片付けてゆきます。
今日はブドウの苗木植え。
作付け量アップと樹の世代交代のために
ブドウの苗木は昨年秋に購入済みで、仮植えして越冬させたものをこの春の時期に本植えします。購入してある苗木はシャインマスカットとクイーンルージュ。今までは父親と母親のみでの営農でしたが、今年から本格的に私も加わって3人体制になるので、空きにしていたブドウ棚を埋めて作付けを増やしたいのと、そろそろ世代交代させなきゃいけない老木もあるので、今年は多めに植え付けを行います。
根が気持ち良く成長できるように
苗木の植え付け講習会で指導を受け、自分の圃場にいざ植え付けです。
1. 穴掘り
まずは穴掘りです。直径は約80cm、スコップの長さくらいの大きさで、深さは40cmくらい。新根がしっかり生長できるようにしっかり大きく掘り起こします。少ない植え付け数ならスコップで行けますが、今年は20本近く植えるので体力が持ちません。油圧ショベルでガンガン掘ります。
2. 土作りと土台作り
次に穴の横で土を作ります。堆肥と土を半々で混ぜます。土壌改良、新根発生促進、微生物増殖が目的です。堆肥に加えて通気性、透水性確保のために炭を混ぜることも推奨されます。
これを掘った穴の中にこんもりと盛って、根を乗せる土台を作ります。この時に、ユーキリンを一掴み根に絡ませて発根促進することも推奨されています。
3. 苗木の植え付けと水分補給
作った土台の上に苗木を乗せて、根を放射状に乗せます。その後作った土を優しく乗せ、十分に水を加えます。最低でもバケツ2杯以上。これでもかというくらい水を上げるのが大切です。こんな時役に立つのがSS。タンクを綺麗に洗って水を入れれば、動く動噴付きタンクになります。SSって便利ですね。
4. ワラを敷いて乾燥防止
十分に灌水したら、軽く踏み締めて根と土を圧着させます。その上におまじないの意味も込めて追い堆肥をまぶして、最後にワラを被せます。根の乾燥を絶対に避けなければならないので保水は必須です。
また、接木部分が地上に出ることが大事。この部分が埋まってしまうと、この部分が埋まってしまうとせっかく接木されてるのに自根が出てしまいます。
植え付けで一番大事なことは、根が気持ち良く成長できるように植えてあげること。ふかふかの土と水分たっぷりの環境を作ってあげて、新根生長のスタートダッシュを後押しさせることをイメージして植え付けを行います。
収穫は2~3年後
植え付けた樹で本格的に収穫できるようになるのは2~3年後です。ブドウは他の果樹に比べると短時間で収穫できますが、待ち遠しいですね。焦る気持ちを抑えて幼木の手入れを丁寧にしていこうと思います。