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農業用バイオ製剤とは。What is Biologicals?

農薬、肥料。どちらも農業には欠かせないものです。
これらの用途に用いる、「バイオ製剤」というものの普及が始まっているそうです。

参考文献:マッキンゼーが読み解く食と農の未来

生物由来の農薬や肥料

バイオ製剤とは、生物もしくは生物由来の成分から作られた製剤で、作物の成長促進や病害虫の駆除に用いられるものです。
例えば、以下のようなバイオ製剤の利用が始まっているようです。

バイオイノキュラント (Bioinoculant)
栽培土壌に加えると植物がよく育つという研究室で培養されたバクテリア等。

バイオスティミュラント(Biostimulant)
上記と同様に植物の成長を促進しますが、天然由来で自然から採取した菌などを使用。

バイオ除草剤、バイオ殺菌剤
雑草の防除剤で菌で雑草を殺します。バイオ殺菌剤は菌で菌を殺す場合や、植物本来の免疫を高め病気にかかりにくくする場合もあります。

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 より引用

バイオ製剤の未来と課題

バイオ製剤、バイオ農薬は、現在の市場規模こそ2000億円程ですが、2026年には9000億円まで成長すると言われています。
その成長の要因となるのが、残留農薬レベルを低減させる必要が高まっている生産者側の需要と、環境負荷の低減や自然優しいなど、有機農薬法に関心を寄せ始めた消費者側の変化です。

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 より引用

ただしバイオ農薬には、越えなければならない課題が残っています。
一つは、効能。病害虫駆除力ではまだまだ化学農薬に遅れをとっています。
もう一つは、管理が難しいこと。バイオ製剤は生物そのものなので、倉庫や店頭の棚での管理がとても難しいです。例えば害虫を食べてくれる虫を撒くには、虫が孵化して飛んでくるタイミングを計って農薬を管理しなければなりません。

その他にも、「生物由来=安全」と結びつけるには短絡的すぎるし、コストのことも無視することはできません。
バイオ製剤が、現在の化学肥料や農薬にすぐに取って代わることは難しそうですが、この流れがあることは知っておいて損はなさそうです。
バイオ製剤の障壁がブレイクスルーされれば、一気に拡大する可能性があります。その時になって、バイオ製剤ってなんですか?とならないように、少しずつ勉強していこうと思います。

参考 日本バイオスティミュラント協議会日本バイオスティミュラント協議会

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