路地ブドウの畑は、棚の周りをぐるっとネットで囲ってあります。
子供の頃からブドウ畑を見て育ち、当たり前すぎて、何を目的に囲ってあるか考えたことありませんでした。
調べてみると、しっかり理由がありました。
風の被害を防ぐ
ひとつ目の理由は、風を防ぐことです。これはなんとなく想像がつきます。
ブドウはふさが大きくなってくるとかなりの重さがあります。風で揺れると傷がついたり、裂果のきっかけになったりして商品価値が下がりまる。また、房以外でも、新梢が強風に吹かれると、絡まったり、傷ついて病気の入り口になります。
スカスカのネットで防風の効果あるの?とあなどることなかれ。ネットで風速50%減です。
害虫からブドウを守る
もう一つの理由は、害虫からブドウを防ぐことです。
ブドウが大好きな昆虫たちは、意外と単純な生き物で、畑への入り口に障害物を作るだけで侵入率が下がります。
網の目3mmのネットならカミキリムシ、カメムシ、スカシバ、などは物理的に入ってこれません。
虫被害がゼロになる、とは言い切れませんが、確実に効果はあり、防除のための農薬散布量の節約にもなります。
暴風にしても、害虫防御にしても、穴の空いたネットではなくビニールの方が効果あるんじゃない?と思うところですが、畑に湿気がたまらないように、風を適度に通すネットがいいのです。風通しが悪く湿気が溜まると、病原菌が発生しやすくなってしまいます。そよそよと風が吹くくらいがちょうどいい、と教わりました。
農家は草と合戦である Fight Against the Grass
時間がある冬場のうちにメンテナンス
あまり注目していなかったブドウ畑のネットですが、すごく重要な役割がありました。
一年間、ブドウ畑を守ってくれたネット達ですが、ところどころ外れたり、破けたりしています。
時間的に余裕のある冬のうちにメンテナンスして、次シーズンの栽培に備えます。