農業の本を読んでいたら、アグリカルチャー4.0という言葉が出てきました。
参考文献: アグリカルチャー4.0の時代 農村DX革命
アグリカルチャー4.0
日本総研の箕輪氏が提唱しているコンセプトです。
人類の農業について、その発展の歴史を概念化した物です。
アグリカルチャー1.0 紀元前
狩猟採集から農業に移行した古代の農業に端を発して、灌漑技術をもとに四大文明が誕生。
アグリカルチャー1.5 18世紀〜
その後、中世ヨーロッパで主食栽培、飼料栽培、畜産を組み合わせた高度な輪作が発展。
アグリカルチャー2.0 1940年代〜
近代になると、科学の発展で化学肥料の製造法が確立。これらにより農作業の効率と収量が飛躍的に発達。緑の革命。
アグリカルチャー3.0 1960年代〜
機械化の普及で、農業大国で大規模農業が台頭
アグリカルチャー3.5 2000年代〜
ICT(Information and Communication Technology)の部分的な活用で植物工場や生産管理システムが始まる。
アグリカルチャー4.0 2010年代後半〜
IoT(Internet of Things)を活用した、農業従事者みんなが儲かる農業モデル。
アグリカルチャー4.0の時代 農村DX革命 より引用
古代から農業生産は飛躍的に向上しましたが、その一方で、収益面、労働力面、環境面、などの様々な課題が取り残されていて、この連綿と農業の歴史の最先端がアグリカルチャー4.0で、IoT・AI・ロボティクスを活用した農業者みんなが儲かる農業である、と著者は語っています。
この発展の歴史、すごく共感します。生物は生きてゆけばお腹が減るもの、食べなきゃ生きてゆけない。この第一命題を克服すべく、いろいろな工夫を重ねて、何回かのブレイクスルーを経て今に至っていると思います。今やIT全盛、農業と融合させて一段階のアップデイトが起ころうとしていうるのだなぁと、実感させられます。
アグリカルチャー4.0のポイント 儲かる&皆ができる
アグリカルチャー4.0の実現には二つのポイント、「儲かること」、「皆ができること」が重要であると筆者は提唱しています。
「儲かること」:優れた技術を生かして丹精込めて育てた農作物が高く評価されてふさわしい儲けが得られること。
「皆ができること」:若い世代のUターン、Iターン就農者が働きやすいこと、体力や筋力に依存しないこと(歳を取ってもできること)
これらのポイントがIoT・AI・ロボティクスの基盤の上でドライブされることが大事とのことです。
体力や筋力に依存しない、歳を取ってもできる農業
上記ポイントの中で、自分が激しく共感したのが、
体力や筋力に依存しない、歳を取ってもできる農業
という点です。
これは、自分の親を見ての経験から。
半年前に私が就農して、家に入ったわけですが、当時、70代の父親は、
「これで俺はもう引退だ〜、あとは任せた!」
って言っていたのですが、引退なんてする気配さらさらありません。どんどん口出しするし、どんどん畑に出てます。素人に任せておくのが心配なのと、農業が心から好きで生きがいになっているのだと思います。彼らから農業を取り上げることは不可能と考えています。
農業従事者の高齢化が問題だ、、、と各所で叫ばれていますが、高齢化どんとこい!と私は思っています。高齢化が問題になるってことは、言い換えれば、農業は人生の最終晩までやめたくないほど魅力的な職業であるとも言えます。高齢化を悲観するのなく、高齢者でも働き続けられる農業、の仕組みを作って思う存分、生産に携わって貰えばいいと思います。(悪い言い方をすれば、最後の最後までしっかり働いて、労働力リソースであり続けてちょうだい!)
父親が車椅子になっても、家の縁側でみかんを食べながら、iPadで畑の各種情報をインプットして、現場で働く動ける私に指示を出し、父親はドローンやロボトラクターを遠隔運転。
こうなるのが理想で、これってアグリカルチャー4.0になるなぁ、と本を読みながら夢想していました。
とはいえ、現状の我が家のアグリカルチャーステージは、
まだアグリカルチャー2.0~3.0の間くらいで、自分が子供の頃に比べたら、ちょっと機械化が進んだくらいです。IoT, AI, ロボなんてゼロに近いです。
4.0を目指し、両親が少しでも長く働ける環境の構築を始めてみようと思います。
著書に出てきたすぐ始められそうなツールを以下にメモで残しておきます。