今年の北信濃は、非常に寒いです。雪も多いです。
人間は、暖かい格好をして、こたつに入っていればしのげますが、心配なのはブドウの木たちです。
2/24日現在、マイナス10度以下を27回観測
今日は、農協主催の、剪定講習会に参加してきました。
技術員の方々が心配されていたのが、今年(2021年)の冬の冷え込み。
これまで、長野県中野市では、マイナス10度以下を27回観測しているとのこと。天気予報では今後も冷え込みは続き、30回前後に至る見込みとのことです。
この冷え込みの強さは、シャインマスカットの栽培が始まって以来、最も冷え込みが厳しい、とのことです。
中野市のシャインの樹たちは、今まで経験したことない冷え込みを経験しているのです。ある程度の冬の寒さは、次シーズンの発芽のために必要ですが、酷すぎる寒さは歓迎されるものではありません。
ねむり病の懸念
一般的に、冬の寒さで懸念されるのが、「ねむり病」です。
- ねむり病
木や枝の枯死、不発芽、発芽遅延、発芽後の生育不良等の発芽時の異常障害の総称
甚大な場合は、主幹部に亀裂が入って、一部の枝で発芽はするが、回復は難しい。
軽微な場合でも、発芽遅延や不発芽が、主枝・亜主枝等に部分的に発生。
発生要因は、
①:マイナス10度以下の低温遭遇。特にでハードニング期(2月以降)の遭遇に関連性があるとの見解あり。
②:前年の着果過多、出荷遅れ、過繁茂、枝の遅延び
前年で樹に無理をさせていると貯蔵養分が減少し、冬の低温に耐えられない、という流れです。
甚大な被害になると、収入に大きなインパクトありますし、
軽微でも、発芽や生育にバラツキが出ることは、作業生の悪化にもなります。そして何よりバラツキがあると、各房、各粒間で、養分の取り合いになって未熟粒の発生につながって、非常に厄介です。
できる対策を行い、どっしり構える
指導員の方々に教えてもらった対策は、
- 仕上げ剪定は厳冬期を過ぎてから。
- 大きな切り口には治癒剤を塗布
- 発芽促進剤を散布
キズには治癒剤を塗って、凍害を極力回避する。そして、発芽促進剤を使って厳しい中でもなるべく発芽が均一になるようにする。これがとりうる対策です。
大切なのは、できる対策は行って、あとはどっしり構えること。
農家はもともと自然相手の職業、少々のリスクは想定しておかなければいおけない仕事です。寒い中、頑張ってくれている樹のためにできることは行って、あとは木の生命力を信じて春を待つ余裕が大事、と父親に教わりました。今年の寒さに対する収穫量のデータが取れれば、それはそれで、将来への糧になります。
とはいえ、頭では分かっていても、新米農家の私は、ヒヤヒヤです。ぐっすり寝れません。まだまだ農家経験値が低いですね!春よこい!!
冬のブドウの枝の中 Inside of the Vines in Winter