露地ブドウは、間も無く誘引作業の季節です。その際に知っておくと便利なテクニックの一つに「捻枝・ねんし」があります。
参考文献:果樹栽培 実つきがよくなる「コツ」の科学
ねじって枝の向きを変える
「捻枝」とは、その年に伸びた緑色の枝(新梢)のうち、真上に伸びた枝のつけ根をねじり、枝の向きを斜めから水平にすることです。真上に伸びると徒長枝になりますが、向きが変わることで無駄な伸びが抑えられ、花芽がつきやすくなり、翌年以降の実つきが改善します。誘引とは異なり、周囲にひもを結ぶ場所がなくても枝の向きを変えることができます。
捻枝を行う際に、夏以降の茶色になった枝は硬いので、ねじって水平の向きに直すことは容易ではありません。そのため、伸び始めの緑色の枝(新梢)が柔らかいうちに行うのが理想的で、5~7月が適期といえます。捻枝の作業に慣れるまで、枝を折ったり、何度ねじっても枝の向きが変わらないこともありますが、実つきをよくするためには、チャレンジする価値があります。重要なのは「折るのではなく、ねじる」という感覚です。
ブドウの場合は、品種によりますが、誘引時に無理やり向きを変えると簡単に折れてしまいます。そんな時に捻枝は非常に便利なテクニックです。ゆっくりねじるとパキッと音がしますのでそこまでねじってOKと教わりました。つる性植物なので、導管・師管が損傷してもすぐに修復するので心配なしとのことでした。