ブドウ栽培は病気との戦いでもあります。
食用に特化して品種改良を重ねた作物を、自然の中で育てる訳で、病気にアタックされるのは必然であり、農家の仕事の本質は病気の防除と言っても過言ではありません。
黒とう病がシャインマスカットに発症
我が家のシャインマスカットの圃場では、今年は黒とう病が発症してしまいました。
黒とう病
病原菌: Elsinoe ampelina カビの一種
葉、葉柄、新梢、蔓、巻ひげ、穂軸、果梗、果実などのあらゆる若い軟弱な組織に発病する。葉では初め黒褐色の小さい斑点が多数現れ、後に拡大して中央部が灰白色、周辺部が暗紫色の病斑となる。
シャインマスカットの圃場の一部に、黒い点々が発症。
もちろんヒトが食べても害はありませんが、見た目が気色悪く、発症した粒や房は商品になりません。
殺菌剤の散布と患部の切り落としで対策
主な対策は殺菌剤の散布です。
農協や試験場の指示に従い、定期的に殺菌剤を散布します。
使うのはSpeed Sprayer, aka SS, 農家のフェラーリ。子供の頃からよく目にしていましたが、就農してみてやっと何してるか理解できました。タンクに貯めた農薬をファンの風でぶっ放します。
殺菌剤の散布である程度菌の繁殖を抑えることできますが、多雨で湿気が多い年はそれでも繁殖してしまうとのこと。根気よく草刈りをして圃場の風通しをよくしても出るものは出る。できる限り被害を最小化するために、患部の枝葉は物理的に切り落とします。
厄介なことに、菌糸は越冬するので一度出た場所は繰り返しでこの病気に苦しめられます。
根絶は難しく、上手く付き合っていくしかないという感じです。
この場所は数年続けてシャインの黒とう病が出ているので、来年は思い切って木を切り巨峰系の品種に切り替えるのも手だなぁと父親と話をしています。
見えない敵との戦い
この時期、ブドウ農家を苦しめるのは、鳥被害もあります。味が乗ってきたのを察知して、袋の上からブドウをつついてきます。
鳥害対策のフェイクファルコン。効果の程は不明です。 たまにリアルファルコンも見守りにきてくれます
鳥は鳥で厄介ですが、相手が見えるので対策もしやすいですが、病気は相手が見えないので対策が難しいし恐怖もあります。
根気よく防除を行い、気を抜かずに収穫に続けるのが大事です。
夏前に、いい房付きだったので、いいブドウがなりそうだね、と父親に言ったら
箱詰めして出荷するまで何があるかわかなねぇぞ
と父親が不気味なことを言っていたのですが、その意味が少しわかった気がしました。
収穫までラストスパート
幸いなことに、被害が大きかったのは一部の圃場の特定領域。
圃場分散の重要性を実感しました。全滅に至らなかっただけラッキーと捉え、9月の収穫開始まで気を抜かずにラストスパートです。
それでは!