私が作っているブドウ、日本での生産状況は今日はなんとなく想像できますが、世界的に見たらブドウ栽培ってどんな位置付けなのでしょうか。
欧州種ブドウと米国種ブドウ
世界のブドウは分類学上、欧州種(V. ヴィニフェラ)と米国種(V. ラブラスカ)に大別されます。欧州種は乾燥して降雨の少ない小アジア地域が原産地であり、米国種は降雨が多く冬は寒冷な北米の東北部が原産地です。欧州種と米国種を交雑させたものを欧米雑種と言います。
現在、日本の主要な品種群は、国内で交配された欧米雑種であり、降雨の多い日本の気候でも安定栽培が可能になっています。
また、栽培はほとんどされていませんが、ブドウの野生種などが世界各地に分布しており、これらを含めると世界に60種の原生種があります。
世界のブドウの生産量
果実の中で、ブドウは長く世界生産1位でしたが、21世紀に入ると1億tを超えるカンキツ、バナナに追い抜かれ3位になりました。ブドウは欧州種が圧倒的に多く、それはワイン用ぶどうが多くを占めているからです。欧州種は北半球の欧州全土、中国、北米、南半球の南米、オーストラリア、南アフリカなどに広がっており、欧州種に比べると米国種、欧米雑種の栽培は少ないです。
世界のブドウ生産量は約6,600万t(2004年)で、ワイン用が71%, 生食用が27%, レーズン用が2%です。日本の生産量は18万t(2007年)と世界の中では少なく、近年世界一位に躍進した中国ブドウの865万tに比べると極少であります。また、日本ブドウは90%強が生食用、10%弱が加工用(主にワイン)で、世界のブドウ事情とは、ワイン用と生食用の比率が逆になっています。
シャインマスカットが誕生するまで How the Shine Muscat Was Born