参考文献:果樹園芸学の基礎/伴野潔/山田寿/平智
品質の構成要素
食品の品質の構成要素には,栄養学的要素(一次機能),し好的要素(ニ次機能),生体調節的要素(三次機能)があるが,近年は安全性も重要な要素である。農薬の残留や重金属微生物などによる汚染がないことが安全性の必須要素であり,それが保障されたうえで品質が評課されることになる。

食味を左右する要因
果実の食味を最も左右する要因は,糖と有機酸のバランスであるといわれる。有機酸に対する糖の割合を甘味比(sugaracid ratio)というが,どの程度の割合がよいのかは種類や品種によってちがう。
ただし,細かくみると1個の果実でも品質は一様ではなく,果肉の部位によってかなりちがう。たとえば,ニホンナシ果実の糖度(可溶性固形物含量)は,果頂部に近い部位の果肉のほうが明らかに高い。

また,食品としての特性だけでなく,食べる人の状態や知識・経験食べるときの環境なども重要である。
