[農業情報マッチョになりたい] ブドウ農家のブログです

日本でのグリーンツーリズム Green Tourism in Japan

私は農業が大好きです。好きなことを仕事にできている幸せ者だと思っています。めちゃくちゃ楽しい農業を味わえるのが農業を生業とする農家だけだなんてもったいない。もっと広く体験してもらえるようにしたい、そんな考えのもと展開されているのがグリーンツーリズムです。

参考文献:図解でよくわかる 農業のきほん

日本で「農村滞在型余暇活動」を

いまやすっかり定着した「グリーンツーリズム」(以下G T)という言葉がはじめて政府公式文書に登場したのは、1992(平成4)年6月。農林水産省が公表した新政策「新しい食料・農業・農村政策の方向」のなかで農村地域政策の一環として位置づけられ、同年7月、農林水産省GT研究会により「緑ゆたかな農山漁村で地域の自然・文化・人々との交流を楽しむ滞在型余暇活動」として定義づけられた。
さらに、1994(平成6)年には「農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備のための促進に関する法律」を制定(翌1995年施行)。これを皮切りに、日本各地でGTの基本構想の策定や受け皿づくりがすすめられることとなった。

ヨーロッハに学び独自の形に

GTは、1970年代にドイツやフランス、イギリスなどのヨーロッパ先進国ではじまり、1980年代から90年代にかけてヨーロッパ全域に広がった。現在の日本におけるGTは、ヨーロッパ先進国の取り組みを模範にしつつ、日本の風土や文化、日本人の志向に合わせて変化したものである。
ヨーロッパと日本のGTの違いのひとつは、滞在時間だ。ヨーロッパは長期滞在型のGTが中心だが、日本は都市と農村の距離が比較的近く、また、年間の労働時間も長いため、短期濡在型のGTが中心となっている。さらに、ヨーロッパは個人(家族)経営型のGTが中心であるのに対し、日本は地域運営・連携経営型が中心である。

単なる物販や宿泊にあらず

どんな地域でも展開できるGTは、地域づくりの有効なツールになり得る。また、農村が抱える農業の担い手不足や人口減少・過疎化などの問題を解決できる可能性も秘めている。
GTは、単なる「農業の副収入を生み出す施策」でも「経済効果をあげるための新しい旅の受け皿」でもない。GTが地域活性化のカンフルとなるのは、実践農家の所得があがるだけではなく、訪れる人が農業や自然のすばらしさ、田舎料理のおいしさに感動し、喜々として農業を体験する姿をみることで、地域全体が刺激を受けるからだ。誰もがごく当たり前と思っている空気や水、景観を誰が維持しているのかを、くらす人も訪れる人も再確認できる。「主」と「客」以前に、「人」と「人」として向き合える。都市と農村のそんな交流の先にこそ、地域の活性化がある。

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