ブドウが実をつけ始めると、灌水(水やり)の塩梅が気になり始めることです。ブドウや土の状況を見極めながら、灌水のタイミングや量を調整してゆきます。
灌水のタイミング
土壌中に含まれる水分の多少は、樹の生育や果実品質に与える影響が大きい。土質、排水性、土壌の表層管理の方法、土壌改良の有無などで、必要な瀧水の量や間隔が異なるため、土壌の乾燥状態や樹の生育の状況を把握しながら灌水の量や間隔を判断する。
土壌の乾燥に特に注意が必要な時期は、基肥施用後の10月、発芽前の3月、開花前の5月中下旬、果粒肥大初期の6月上旬、梅雨明け後の7月下旬~8月、礼肥施用後の9月であり、晴天が続けば定期的に灌水を行う。
「シャインマスカット」は樹勢が強く、葉が大きく根量も多いことから、生育に必要な水分量が多いと考えられるため、葉が成葉になってからは特に十分な灌水が必要である。
開花期から結実期にかけての土壌の乾燥は花振るいの原因となるとともに、結実期から果粒肥大期にかけては最も水分の消費量が多いため、降水量が少ない場合は十分に灌水を行う。土壌中の水分量が急激に変化すると、生育時期によっては縮果症、日射症、裂果などの生理障害の発生を助長することがあるため、土壌水分が一定に保たれるように濯水を行う。
なお、高温時の灌水は、蒸発しやすい日中を避けて早朝または日没前に行う。また、土壌中に水分が浸透しやすいように、あらかじめ土壌の物理性を改善しておく。
ブドウの日焼け被害とポジティブ思考 The Grapes Are Boiled
土壌の物理生 Physical properties of soil
