袋掛け、傘かけが終わって、一安心ですが、やることはどんどん湧いて来るのが農家という仕事です。最近行っているのは、黒系ブドウの2番なり落とし。高品質なブドウを作るために欠かせない仕事です。
2番なりを落として本命の房に栄養を集中
ブドウの袋掛けが終わった7月末頃から、「2番なり」と呼ばれる二次的な着果が旺盛になってきます。商品とする房とは別に、副梢に着果したブドウです。シャインは少ないのですが、巨峰やナガノパープルといった黒系ブドウにはたくさんの2番なりが発生します。
この2番なりブドウ、ジベレリン処理を行っていないので種が入っています。ブドウの樹は子孫を残すことを優先するので、種あり(有核)の2番なりの方に栄養を集中してしまいます。このような栄養の分散を阻止し、樹の疲労も軽減するために2番なりは基本的には落とすのが良いとされています。
もったいないようですが、この一手間を行うことで、糖度の高いいいブドウになります。また、副梢管理も一緒に行えるので、棚の明るさ確保も同時に行うことができます。
しかしこの2番なり、成熟すると、とっても甘い美味しいブドウになります。房型は悪くなるので商品価値はあまり高くないですが、ジャム等の加工用に収穫する農家さんもいます。元気のある樹の場合は、このように副産物も有効利用することもできるようです。
2番なり落としと副梢管理がが終わると、あとは収穫を待つのみです。
ナガノパープルの出荷見込みは8月末。太陽をたっぷり浴びて、甘くて美味しいブドウになってほしいものです。
巨峰の二番なり落とし Consentrate the Energy