露地ブドウの開花が迫ってくる時期です。枝はどんどん伸びで光合成を頑張っていますが、伸びすぎだと枝の生長にばかりエネルギーが取られて花や実が育たない。また畑全体の枝の生長もなるべく揃えたい。そんな時行うのが、摘心と副梢除去です。
摘心で樹勢をコントロール Controlling tree vigor by pinching
枝の伸びすぎ注意
新梢の伸長を一時的に抑えて結実を促すため、開花始めに第1花穂の着生位置から6節程度先で摘心する。副梢も、開花期までに旺盛に伸長していることが多いため、新梢先端の摘心と同じ時期に果房の周辺までは2葉、その先は1葉を残して摘心し、一度摘心した副梢から再発生した副梢は基部からかき取る。
摘心位置が房先6節より短いと、新梢当たりの業面積が不足するとともに、摘心後の副梢の発生が旺盛になって作業に手間を要する。逆に房先6節より長いと、副梢の発生は抑制されるが、棚下に枝葉が長く垂れ下がるため、作業性が著しく劣る。
旺盛に伸長する新梢は、新梢の基部から本業が9枚程度展葉した頃を目安に新梢先端の未展葉部を摘み取り、伸長を一時的に抑えて他の新梢との勢いを均一にする。
早い段階で摘心した新梢は、開花始めに周囲の新梢と同じ長さになるよう切り返す。伸長の弱い新梢や遅れて発生した新梢は、開花前の段階では摘心もせず、その他の新梢と同じ長さに伸びるまで待って摘心を行う。