ブドウ栽培をしていて、目に見えているのは地上部の樹、枝、葉、実のみ。
地下には根っこを張り巡らせていますが、目で見えないので実態が掴みにくい。
たまにはひっそり頑張る根っこのことも考えてみます。
養分元素を吸収する新根
果樹を収穫時期にそっくり全体を掘り上げ立ちすると、全体の65%が水分、34%が炭水化物。窒素(N)、リン(P)、カリ(K)などの無機養分は1%くらいです。
この1%に満たない無機養分は、量は少なくても果樹の生長にはなくてはならない元素で、これらがないと生命活動が維持できないばかりか、光合成をして実を実らせることができない、言い換えれば、これらの1%の養分がブドウに行き渡らなければ、農家の収穫は得られないのです。
これらの無垢養分の吸収を担うのが根っこです。
新根の生長
ブドウの新根は、春から夏にかけて生長が旺盛になって、白くて細い網の目のような塊になっている、そうです。(自分はまじまじとみたことないので、本に書いてあった話です)
新根の先端には、根毛が伸びていて、この先端部で養分や水分を吸収しています。地温が高いほど養水分吸収能力の寿命は短いですが、常の生長を続け、先端から2cmくらいのところは常に養水分吸収能力を維持し、それより基部は輸送機関として機能しています。トンネル工事の過程のようですね。
根の成長には物質が必要
当選ではありますが、根の成長にも物質が必要です。春は樹体内に蓄えた貯蔵養分を使って生長し、秋の収穫が過ぎると、果実という大消費者がいなくなって、葉で作った物質(糖)を使って生長します。
果樹園では一般的に、地下20-30cmの範囲で根が張っていて、養分吸収のためのネットワークを張り巡らせています。
元気なブドウは根っこが健康
去年の夏、元気のないブドウの気を見て父親が、
元気のない樹は葉っぱが元気ない。葉の茂りが足りないってこと、葉が足りないってことは根っこが十分張ってないってこと
と言っていたことがあります。父親曰く、樹冠(地上にある植物の部分)の範囲と同じくらいの広さは根っこが張っているとのこと。目に見えるところに気が向きがちだけど、目に見えない根っこのことも考えないと、ブドウ農家は痛い目にあう、と忠告を受けました。
そういえば、ブドウの根っこってちゃんと見たことない。今度時間ある時に掘って観察してみようと思います。
ブドウの日焼け被害とポジティブ思考 The Grapes Are Boiled