水と光は植物の生長に欠かせません。
ブドウの新梢生長時も極めて重要な要素になります。
参考文献:最新農業技術果樹 vol.8
水分
根による要水分の吸収、体内における養分の合成や移動、代謝は全て水の存在のもとに行われるものですので、ブドウ樹の全ての生長に水がなくてはなりません。特に、発芽及び新梢成長期は、根が活発に無機養分を吸収し、体内の貯蔵養分とともに地上部へ流動して新梢の生長に利用されますので、水分が不足すると、当然、新梢生長が著しく劣ります。また、この時期には新しい根が十分に発達していないので、地上部に対する水分供給能力が比較的低くなります。したがって、空気湿度の影響が現れやすく、乾燥条件下には節間が短く、葉も小型なものになり、逆に多湿条件下では極めて徒長的で軟弱な茎や葉になりやすくなります。
光
新梢の初期生長は主に貯蔵養分を利用してなされるものですので、光の強さ(日照量)による影響は少ないです。むしろ、ある程度の遮光により新梢の生長が促進されることも多いです。しかし、この場合は徒長的な伸びであり、乾燥重量は軽く、根の発達が著しく不良となります。
一方、日長時間(日の出から日没までの長さ)の影響は大きく、11時間以下では著しく新梢生長が著しく劣ります。早期加温栽培では新梢は1~2月の短日条件下で発芽、成長するので、それより遅い加温栽培や無加温の場合よりも新梢の生育が旺盛になりにくくなります。
土壌とブドウの新梢生長 Soil condition and Shoot Growth