「ベレーゾン」ブドウ栽培をしていると、この言葉をよく目にします。分かっているようでよく分からないこの「ベレーゾン」、どうやらフランス語らしいのですが、何を指す用語なのでしょうか?
ブドウが軟化し着色が始まるポイント
収量を上げ、良品を生産するには、光合成量を多くすることが必要だが、それだけでは栽培上、適切な葉の密度は決められない。ブドウは果実の発育ステージの進行や成熟、果皮の着色には、果房に光が当たることが必要であり、菓の密度を下げる必要がある。ブドウ果実の発育は、開花以降、初期には大きく肥大し、中期には肥大が停滞し、後期には、再び大きく肥大する。これは、それぞれ果実発育第I期、第II期、第III期と呼ばれる。第III期に入ると果粒は急に軟化し、黒や赤に着色する品種では着色が始まる。この状態をベレゾンという。この果粒が急に軟化することを水回りとも呼んでいる。この時期を果粒軟化期(水回り期、ベレゾン期と同義)としている。
第I期•第II期では、果房に光が当たると果実の発育ステージが早く進み、ベレゾンに早くなる一方、果粒は小さくなる。果房に当たる光が少ないほど果粒は肥大するが、ベレゾンになるのは遅い。収穫期前1か月程度は、果房に光が当たるほど成熟が早くなり葉が多く棚下が暗いと、成熟期は遅くなる。
ベレーゾン期はデリケート
ベレーゾン期はブドウにとって非常に大事でデリケートな時期。このポイントの直前は、刺激の強い摘心や副梢生理は行うべきではなく、縮果症を誘発しやすい。北信濃のシャインマスカットは、満開45日後がベレーゾンの目安。6月中旬に満開となるので、7月中旬までに間に合わなかった枝管理は8月に入ってから行うのが良さそうです。