6月中旬、北信濃の葡萄栽培は、房きりの真っ最中です。
参考文献:シャインマスカットの栽培技
房きりの実際 What is the actual Fusakiri
開花の波に追われつつも焦らず丁寧に
早めに花穂整形を行う場合は、花穂が開花期までさらに伸びることを想定して、短めに切り込む。なお、無核化、肥大処理の目印のため、花穂の中央付近に支梗を1~2個残してもよい。
整形時には、できるだけ花穂の先端を利用することで、省力的で房形のよい果房に仕上げることができる。先端が二股や三股に分岐している花穂は、1回目ホルモン処理の前後の時期に分岐部の状態をよく確認し、分岐部近くまで着粒している側を残し、その他を切除する。
この際、穂軸が少し曲がった状態になっていても、収穫時に房形が大きく劣るほどではないため、できるだけ先端を利用する。先端が扁平な花穂は、正常な花穂に比べて穂軸の伸長がやや劣るとともに花齋数が極端に多いため、摘粒作業に手間がかかる。花穂数が十分に確保できるのであれば切除するが、利用する場合は結実後の早い段階からしっかり摘粒を行い、果粒の初期肥大を妨げないようにする。