果物にしろ、野菜にしろ、「朝採れ」を宣伝文句にうたっている物が多いです。
実際、新鮮な感じがして好感が持てます。
かくゆう我が家のブドウも、朝なるべく早い時間、遅くとも午前中のうちには収穫するようにと父親に言われています。特に理由なく、感覚で朝採れが良い響きだから、そういう決まりにしてるのかなぁと思っていたのですが、ちゃんとした理由がありました。
ブドウの肥大周期
ブドウは、一年を通した生育周期に加えて、一日の中でも生育周期があります。
果粒横径は晴天の日中に収縮を始め、夜間にかけて回復し朝がたに再びピークとなります。枝の直径はほぼこの逆の動きをします。わずかではありますが1日の中でこのような変化を繰り返しています。
移動しているのは、主に水分と養分です。朝がたは、水と養分がたっぷりブドウの実に溜まっている状態なので、ここで収穫して食べるのがベストな食べ頃です。
また、生産者側からしても、メリットがあります。
この重量変化、一房あたりではわずかな差ですが、10aあたりで考えると無視できない重量の差になってきます。ブドウの出荷は、房数ベースで行うこともありますが、大半は重量ベースで行いますので、出荷出来高が高くなります。
朝の農作業は最高です
これらの理論的な理由もありますが、朝採は、なによりも作業者にとってプラスが多いです。
収穫時期は夏から秋にかけてになるので、涼しいうちに外での作業を終わらせて、お昼過ぎから室内で荷造り作業を行うのが体への負担少ないです。
そしてなにより、早朝の農作業は気持ちがイイ!朝の静寂の中、少しモヤのかかった圃場でひと房ずつ、立派に育った葡萄を収穫する作業は、なによりも気持ちが良い物です。
ナガノパープルから2021年の収穫開始 Nagano Purple is GO
ブドウは、朝採れをなるべく早く食べるのが一番うまいです。早朝の収穫の合間につまみ食いするブドウは、びっくりするほどうまいです。是非多くの方に味わって頂きたい。
特別な例を除いて、現在の一般的な流通では、消費者の手元に渡るまで、収穫から2−3日かかります。
広い範囲の方々に、少しでも新鮮に味わってもらえるように、何か工夫ができたらいいなぁ、と最近考えています。