[農業情報マッチョになりたい] ブドウ農家のブログです

土作りと施肥管理 –肥料成分の働き– Function of Fertilizer Components

読書は好きなのですが、読んだことを忘れやすく、記憶にあまり残ってくれません。
読んだことを書き出すアウトプットをすることで、少しでも頭に定着しやすくなったらいいなと思っています。
今日は収穫後に実施した、施肥のことについて。

三年に一回は土壌診断

肥料を適正に施すには、園内の土壌の化学性(成分含量)時の状態を把握することが必要です。木の状態は、枝や葉の伸びとして目に見えるのですが、土の状態は残念ながら目には見えません。
土を舐めて、その味によって、この成分が多い、この成分が不足してる、って分かる仙人的な能力があるなら良いですが、凡人にはそんな能力ありません。土壌の化学性を把握するために、定期的に土壌診断を行うことが推奨されています。畑の土を、指定の方法で採取して、JAなどの公的機関に持ち込んで土壌分析してもらうことができます。
めんどくさがらずに、三年に一度は土壌診断を行うことを心がけます。

ブドウ畑の理想的な土壌の目安
基礎からわかるおいしいブドウ栽培 より引用

主な成分の土壌診断基準

土壌分析では、大まかに、以下の項目について把握できます。それぞれについてざっくりと捉えると、、

土壌pH
土が酸性か、アルカリ性か。どちらかに偏ると、微量化学要素の吸収に影響し生育障害につながります。
欧州系品種では6.5~7.5の中性付近が理想です。
酸性に偏っている場合は石灰(アルカリで中和)、アルカリ性に偏っている場合は、石灰の使用を抑えます。

リン酸
開花結実や果実の成熟、枝の登熟に影響。水に溶けにくく移動性が低いのが特徴です。あげ過ぎ注意です。
また、鉄やアルミニウムに結合すると根から吸収されにくくなるので注意が必要です。

カリ
カリウムです。英語ではポタシウムと言います。
果実肥大や着色に影響します。不足すると、生育が抑制されて果粒肥大不足や生育の遅延が起こります。一方、過剰になると石灰や苦土の吸収が抑制されてこれらの成分の欠乏症が起こります。
有機物補充で使われる、家畜ふん堆肥や稲藁にも多く含まれるので、カリの施量が過剰にならないように注意が必要です。

石灰
アルカリ成分です。収量や果実品質への影響のほか、土壌pHにも影響します。欠乏すると、生長点の生育が停止し生育が抑制されます。過剰になると、土壌pHが上昇してホウ素やマンガンなどの微量要素の吸収を妨げて欠乏症を起こしてしまいます。

苦土
マグネシウムです。葉緑素の構成成分です。欠乏すると、葉脈間の葉緑素が失われて葉が黄色くなってきます。
シマ葉とかトラ葉と呼ばれるものです。光合成のパワーが減少して、実の糖度が上がってきません。

畑にまく稲藁。カリを多く含むので、肥料のカリは控えめにしよう。

農家は土作り

父親が口すっぱく言ってます。農家は土作り。
目に見える地上の枝と同じくらいの根が土の中を巡っていて、根が居心地のいい土にしてあげるのが農家の仕事です。
重要なのは分かるのですが、なかなかつかみどころがありません。シロウトの自分は、土壌診断を利用しつつ、なるべく数字で捉えて経験不足を補う必要がありそうです。

土作りと施肥管理 –有機物– Organic Fertilizer Management

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です