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日本の生食用ブドウの歴史2 History of Grapes in Japan part2

日本のブドウ栽培の続きです。巨峰系以降の欧州種の繁栄についてです。

参考文献:最新農業技術果樹 vol.8

日本の生食用ブドウの歴史 History of Grapes in Japan

欧州種の流行

世界のブドウは、ワイン用だけでなく生食用でも欧州種が主要品種です。欧州種の多くは果皮が薄く、皮ごと食べられるので食べやすい。しかも品質が優れ、果軸が強く、貯蔵性・輸送性があり、米国種のように脱粒が少ない。湿潤な日本の気候では欧州種の栽培は難しいですが、岡山のマスカット・オブ・アレキサンドリアはブランド化しており、贈答用の最高級品種として評価が高いです。本種はエジプト原産で歴史が長く、2000年を超える長命品種です。

マスカット・オブ・アレキサンドリアを親として、さまざまな欧州種、欧米雑種が栽培されています。例えば、露地栽培が可能な純欧州種としては、ネオマスカット(1932年発表)があります。その子供である鮮紅色の甲斐路(1995年交配)、イタリアの主要品種ロザリキと交配させた黄緑色のロザリオ・ビアンコ(1976年交配)などが生まれました。これらは、山梨や長野を中心に露地栽培されています。

被覆栽培による進化

さらに、ビニール被覆による施設栽培が普及して、品質の高い純欧州種の栽培も容易になりました。栽培面積は多くありませんが、品質が高くて消費者に人気がある多種多様な世界の品種が九州、瀬戸内海気候の西南暖地、関西や関東甲信越など、それぞれの地域の熱心なブドウ栽培者に愛育されています。岡山を中心に栽培されている皮ごと食べられる瀬戸ジャイアンツ(別名桃太郎)や、ブラジルで生まれたルビーオクヤマ、旧ソ連から導入された果皮の薄い高級種リザマートなど、肉質が締まり、皮ごと食べられる典型的な欧州対タイプの品種が好まれるようになり、被覆栽培はますます盛んになりつつあります。

最新農業技術果樹 vol.8 より引用

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