土壌を理解する上で重要な三大特性、物理性、化学性、生物性。
今回は生物性。土壌の中の生き物について。
参考文献:環境・資源・健康を考えた土と施肥の新知識
土壌動物
まずはじめに登場するのが、動物たちです。
土壌動物には、哺乳類から原生動物まで、多種多様な動物たちが生きています。
土壌中に供給された落葉や枯れ葉などの有機物をミミズが食べると、80%をフンとして排出する。そのフンをダンゴムシが食べてフンを出す。このように食物連鎖が大きい動物から小さい動物に引き継がれて、有機物が粉砕されて、土壌は程よく団粒化されます。
ミミズは畑を耕してくれるので歓迎したい動物ですが、多すぎるとモグラが増えて畑を荒らします。掘るとたまに見つける、くらいの程よい量のミミズさんが歓迎される量です。
土壌微生物
つぎに登場するのが、土壌微生物です。
バクテリア、放線菌、糸状菌、藻類、などの、いわゆる「菌」達です。
動物と同様に、有機物を分解してくれたり、窒素固定を助けてくれたり、土壌環境を良くしてくれるのに欠かせない生物達です。
性質の異なる多数の微生物が土壌中で棲み分けられるのは、団粒構造の恩恵が大きいです。団粒内部には嫌気性細菌、団粒外部には好気性細菌が繁殖し、団粒の隙間には放線菌や糸状菌が菌糸を伸ばしています。
しかしここでも、全ての菌が歓迎される訳ではありません。例えば、糸状菌が多すぎる畑では、有機物の分解が急速に進みすぎて、地力が低下しやがて植物の生産性低下を招きます。
また、根から感染して病気を起こす、土壌病原菌も存在します。これらは伝染性を持つので、一度繁茂してしまうと大変で、太陽熱や薬剤で土壌消毒を行う必要が出てきてしまいます。
農業を行う上で、何事もそうですが、偏りのない適度な存在が肝要。バランスが崩れないように管理をしてあげることが何よりも大事なことです。目に見える生き物だけではなく、目に見えない生き物達のにも気を配りながら、農作業を進めます。
土壌の物理生 Physical properties of soil 土壌の化学性 その1 Chemistry of Soil Part1
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