以前に、土壌の化学性の勉強をしていたときに、「塩基飽和度」の話が出てきたのですが、いまいちピンとこなかったのですが、違う文献ですごく分かりやすく紹介されていたので紹介します。
参考文献:図解でよくわかる農業のきほん
CEC(Cation Excange Capacity)のおさらい
土壌粒子が陽イオンを吸着できる最大量のことを
陽イオン交換量 CEC(Cation Excange Capacity)
と言います。
CECの値が大きいほど(つまりマイナスの電荷を帯びた土壌粒子が多いほど)、土壌は必要な養分をたくさん蓄えることができて、保肥力が多いということになります。
CECの値が大きいことを、「土壌の胃袋が大きい」と表現されることがあります。
土壌の化学性 その1 Chemistry of Soil Part1
塩基飽和度とは何か?
「塩基飽和度」とは、CECに対して土壌が実際にどのくらいの割合で塩基(簡単に言えば陽イオン)を保持しているかを示しています。カルシウム(Ca2+), マグネシウム(Mg2+), カリウム(K+)の3種類の成分の合計で表されます。*水素イオン(H+)やナトリウム(Na+)などは除きます。
CECが、「土壌の胃袋」と表される一方、塩基飽和度は「土壌の満腹度」と言えます。
作物の生育には水素イオン濃度(pH)が大きく関わっていますが、このpHと塩基飽和度は切っても切れない密接な関係。
pHは水素イオン(H+)濃度で決まり、水素イオン濃度が高いほど、pHが低くなります。
塩基飽和度が高くなるということは、水素イオン濃度が低くなるので、pHは高くなります。
おおよその換算で、塩基飽和度100%でpH 7.0、80%でpH 6.5、60%でpH 5.5に相当します。
一般的に、塩基飽和度が60~80%で、弱酸性のpHを持つ土壌が理想的と言われています。
人間の健康を保つときも腹八分目がいいと言われます。それと同じで、土壌の塩基飽和度も八分目がよし、と覚えておくことにします。
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