参考文献:最新版 図解 知識ゼロからの現代農業入門
1970年代半ばをピークに生産は年々減少
南北に細長い日本の国土では、寒冷地に適したリンゴ、温暖な気候に向く柑橘類、そして、沖縄をはじめ南西諸島では熱帯果樹が栽培されるなど、果樹の種類がとても豊富です。2017年産の果樹の栽培面積は約18万ha、生産量は246万t。最も生産量が多いのはミカンの74 万1300 tで、次いでリンゴ、日本ナシ、カキ、ブドウ、モモ、の順になっています。
果樹の生産が盛んに行われるようになったのは戦後からで、1970年代半ばにピークを迎えますが以降は減少の一途をたどっています。輸入自由化や生産者の高齢化の影響もあって、栽培面積は75年の38万haから、2007年には21万haにまで激減しました。高級果樹として輸出も行われる。
高級果樹として輸出も
需要に目を向けてみると、近年の生鮮品および加工品を含めた総需要量は、約770万tで、そのうち約39%が国内品です。野菜と同様に、加工・業務一用の需要割合が年々高まっています。
また、生産量は減少していますが、品種改良に積極的に取り組み、栽培技術研究などの結果、品質の向上にはめざましいものがあります。味だけでなく、色や形にこだわった果樹の生産が行われています。そのため、リンゴやミカンなどは海外に輸出され、高級果樹としての需要が出てくるようになってきました。ただし、味・色・形など国により好まれる規格が違うため、輸出品とするには、輸出先国でどのような果樹が好まれるのか、綿密に市場調究がなされています。