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フラスター液剤の効果 Effectiveness of Fraster

農薬というと、殺菌剤や殺虫剤など、防除のために使うものを思い浮かべがちですが、防除ではなく生育調整のために使用する農薬もあります。

参考文献:シャインマスカットの栽培技術 [ 山田 昌彦 ]

展葉期、開花初めのフラスター処理

「シャインマスカット」は、若木時には強勢な新梢が発生し、新梢管理が煩雑になりやすい。これに対し、展葉7 〜11枚時にフラスター液剤(有効成分:メピコートクロリド44%)を散布することで、新梢伸長を抑制することができる。

シャインマスカットの栽培技術 [ 山田 昌彦 ] より引用

散布濃度は、1000〜2000 倍(100~150L/10a)で、展着剤は加用しない。展葉7~11枚の間では、処理時期が早いほど効果が強く出やすいと考えられる。しかし、勢力の弱い新梢には、過剰に効いてしまうため、新梢の揃いが悪い樹や、成木となり樹勢が落ち着いた樹では使用しない。
また、フラスター液剤散布により、果房の横張りが抑制される傾向もあり、房しまりに一定の効果が期待できる。特に、短梢剪定栽培の場合は樹勢も強く、房形が乱れることがあるので、若木のうちは積極的に使用するとよい。

シャインマスカットの栽培技術 [ 山田 昌彦 ] より引用

なお、「シャインマスカット」では、満開10〜40日後にもフラスター液剤を追加して散布することができる。副梢を摘心しても、さらに強い副梢が再発生する場合は、満開後処理も検討するが、そのような樹については、施肥やかん水、剪定など樹勢に関わる作業を振り返ってみる必要もある。
処理する場合は、500倍(150L/10a)もしくは1000倍(300L/10a)で散布する。処理時期は、第2回目ジベレリン処理の5日後(満開20日後)を目安とする。第2回目ジベレリン処理直前の散布では、果粒肥大がやや劣る事例も認められるので注意する。

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