ブドウの蕾もだいぶ大きくなって、間も無く開花です。そろそろブドウの房作りが始まります。ブドウのそれぞれの一個一個の房と対話するように、収穫に向けて手入れを行うシーズンが始まります。まずは、房の大まかな形を決める”ふさきり”から。
ふさきりの目的
ブドウの花穂には、数百~1000 程度の花奮が着生している。花蜜数を制限せずに栽培すると花瞥間の競合が発生し、多くは落薔し粗着な果房となる。つまり高品質生産を行えなくなる。房づくり(花穂整形)は、花穂数を制限し、密着した良果房を生産するための作業となる。
ふさきりの手順
房づくり作業は、圃場内の生育が早い場所で開花が始まったタイミングに行う。
栽培面積が大きく、作業が間に合わない場合は、開花前から行ってもよい。ただし、開花始めに作業する場合より、小さく整形しておかないと花穂が長大化するので注意する。作業の方法は、上部の支梗(しこう)を切り下げ、房尻を摘まずに、主穂先端4cmを目安に残す。4cm以上の房づくりを行うと、花穂の中央部が花振るい(結実しないで落噛、落花する現象)を起こしやすく、結果的に房形が乱れるため、大きな房づくりは行わない。「シャインマスカット」は、房づくりが遅れると、激しい落蕾を起こすことがあるので、作業は遅れないことが重要である。
第1回目ジベレリン処理後の花穂の伸長程度は、かなりばらつき(花穂ごとの差)があるため、房づくりの大きさは4cmで行っておき、後に軸長を調節する。
作業はハサミで行うことが基本であるが、指で支梗をこすり上げる方法もある。この方法は、作業時間が短くなるため省力化につながるが、花穂を破損してしまう場合があることや、こすった部位が褐変し、摘粒時に穂軸がやや折れやすくなる点は留意しなければならない。