露地ブドウのジベレリン処理の時期が迫っています。仕上がり品質への影響が大きい大事な処理のため、なるべく適期を逃したくないものです。
巨峰系4倍体品種、欧州系2倍体品種(シャインマスカットなど)のジベレリン処理適期についての文献を読んでいます。
参考文献:基礎からわかる おいしいブドウ栽培 [ 小林和司 ]
巨峰系4倍体品種
房作りで長さ3~4cmに調整した花穂が満開になった時、ジベレリン25ppmの水溶液に浸漬する。この処理で種をなくすことができる。満開時期がバラつく場合は、何回かに分けて処理する。処理時期が早いとショットベリーの付着や花穂の湾曲が見られる。
一方、処理が遅れると種あり果の混入や、着色する品種では着色不良が心配されるので適期処理を心がける。2回目は1回目の処理から10ー15日後、果粒肥大を目的に25ppmの水溶液に浸漬する。この場合も処理が遅れると着色不良や裂果が心配されるので、適期に行なうようにする。
欧州系2倍体品種
シャインマスカットや瀬戸ジャイアンツなど欧州系2倍体品種は巨峰系4倍体品種に準じて、房づくりとジベレリン処理を行なう。1回目の処理は満開期に行なうが、未開花の花蕾が多く残っている状態で処理すると花穂が湾曲することがある。処理は、全ての花蕾が咲ききってから行う。一方、処理が遅れると花振るいが発生しやすくなるので、こちらも注意する。
2回目は巨峰群品種と同様、1回目の処理から10~15日後に行なう。
なお、シャインマスカットではジベレリン処理だけでは完全に種なし化が難しい。そこで開花の前にアグレプト液剤を処理する(散布ないし浸漬)。また、着粒安定のため1回目のジベレリン処理液にフルメッ卜液剤5ppmを加用処理するのが一般的である。