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ブドウの芽かき bud picking

ブドウの芽も順調に生長を進め、展葉4,5枚の時期に入ってきました。この時期に行うのが芽かきです。必須ではないけど、やるとやらないでは大違い、芽かきとはどんな作業なのでしょう。

芽かきの目的

芽かきとは、その名の通り、芽をかき取って落とす作業です。せっかく芽吹いためを、生長の道半ばで人為的に落とす作業なので、ちょっともったい無い気がしますが、これをやらないといいブドウはなりません。芽かきの具体的な目的は、

  1. 芽の生育をそろえる
  2. 貯蔵養分の浪費防止

です。この時期の芽は、種の位置、主幹からの距離、園内の温度ばらつき、などによって同じ圃場内でもその生長にばらつきがあります。この段階でばらつきがると、この後の開花もばらつき、数珠繋ぎに後に控える房きりや摘粒作業の効率が悪くなります。このばらつきを、芽の段階でちょっとでも解消するために、中程度の生長をしている芽に合わせて他を落としてあげることが第一の目的です。
加えて、ブドウは目吹きを含む生育初期は昨年の貯蔵養分で行われますが、不必要な芽が残っているとその生長にも貴重な貯蔵養分が使用されてしまいます。大事な使える芽に栄養を集中させることも芽かきの大事な目的です。

枝の先端ほど芽が強いです。つる性植物の陣地拡大のためのプログラムされた特性です。
メインの芽の横からひょこっと出た副芽。これは悩まず落とせます。巨峰に多いですね。

残す芽、落とす芽

作業を進める上で、残す芽、落とす芽、のガイドラインを自分の中で持っていると、作業がはかどります。私が教わったガイドラインは、

残す芽
・花穂を持ってる
・主枝に近い
・誘因しやすい

落とす芽
・メインの芽の横からひょこっと出てる副芽
・極端に小さい芽
・誘因しずらい芽

個々の芽をこの篩にかけながら、誘引時に割れてしまうロスも加味して残すか残さないか、決断してゆきます。
そして、一番大事なのが、最終的な新梢の感覚が片側20cmに1本となるようにイメージしながら芽をかくこと。ここで今年の着果量を実質決めるわけで、多すぎると生育が悪くなり、少なすぎると稼ぎが減ります。
これがなかなか難しい。。。ベテランは体に染み込んだ感覚で、サクサク進められるようですが、素人の私はどうしても多く残しがち。誘因時の枝割れが怖くて多く残したくなったり、$$がちらついて残しすぎたり。何周も畑を回って、芽かきローラーをかけて、時間かけながら理想の形に仕上げてゆくしかなさそうです。

果樹の生育サイクルと貯蔵養分 Fruit tree growth cycle and stored nutrients

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