2月も下旬に差し掛かり、まだまだ寒いですが、なんとなく春っぽい日も増えてきた気がします。
ブドウ農家もそろそろ本格的に動き出します。
短梢剪定の仕上げ剪定
ブドウ畑は、お正月付近に粗剪定を終えて、その後は雪の中に埋もれていて、ほぼ放置状態です。
白銀の中の冬剪定 Winter Pruning in the Snowy World
2月下旬頃、雪が溶けて足場ができ始めた頃に、「仕上げ剪定」を行います。
今シーズンの本格的な仕事始めでもあり、収穫の出来を左右する重要な作業です。
自分は、去年の秋に収納したので、冬の仕上げ剪定は初めて行います。農協の講習会に出たり、父親に教わったりしながら仕上げ剪定を進めています。
基本は、以下のように、基底芽と1芽を残して、バスっと切ります。
残した芽から出た新芽のうち、良い方を残して他は芽かきで除去して行くことになります。
大胆に、でも丁寧に
ポイントがいくつかあります。技術員さんの指導や父親のアドバイスをまとめると、大事なポイントは以下です。
- しっかりと充実して膨らんでいる1~2芽を残して剪定する。
- 芽を残しすぎると芽座が年々長くなるし、芽の成長にばらつきが大きくなるから、多く残し過ぎない。
- 目の間隔は、20cmに一本。枝が少なくなりそうなところは、1芽座から2本だす。
自分のような素人は、どれが基底芽でどれが1芽か、どれが使えるめでどれが使えない芽か、判断に迷ってなかなかすすみません。使えない芽しか出なかったらどうしようと、ついつい不安になってしまって、多めに芽を残してしまいがちです。
ですが、残しすぎると、芽同士で栄養の取り合いになって、充実した発芽になりません。
先輩のアドバイスでは、
自分に見えてて、これ残したいって思ったやつを1芽としていい、
見えてないやつは、変な方向に伸びたり、いい目にならなかったりするから、無視でいい。
とのことでした。運命の芽を見つけてバスバス切るのがコツのようです。
というのも、あまり時間をかけてもいられません。
目標では、3月中旬までに仕上げ剪定を終わらせる必要があります。3月後半になってくると、「水上がり」が始まって、切り口から養分を含んだ水が垂れ出してしまいます。
発芽は、貯蔵養分のエネルギーで行われますので、せっかく貯めた貯蔵養分を傷口から失うのは良くありません。
冬のブドウの枝の中 Inside of the Vines in Winter
雪の中での剪定作業
冬本番は過ぎつつありますが、今年はまだまだ雪が残っています。
スノーシューを履いて、白銀、静寂の中での作業は、なんとも気持ちのいいものです。
そして、枝葉のないブドウの木を白をバックにまじまじとみながらの作業になるので、樹の様子がよく観察できます。シーズンスタートの今の樹の様子をしっかり目に焼き付けておいて、ここからどんな生育をしてどんな収穫になるか、今シーズンかけて追いかけてみようと思います。