ブドウの花が開花を迎えると、次はジベレリン処理のステージです。ジベレリンは二回処理しますが、満開~満開3日後が処理の適期になります。
参考文文献:シャインマスカットの栽培技術 [ 山田 昌彦 ]
ジベレリン処理 Gibberellin Treatment for Seedless Grapes
ジベレリン+フルメット
第1回目ジベレリン処理は、無核化を目的に行う。処理時期は、満開時~満開3日後で、すべての花蕾が咲き、花冠が飛んだ状態が適期となる。ジベレリン処理液に着粒安定を目的として、フルメット液剤(有効成分・ホルクロフェニュロン0.1%)を加用すると、同時に果粒肥大促進の効果も見られる。
よって第1回目ジベレリン処理は、ジベレリン25 ppmにフルメット5ppmを加用して処理することを基本としている。ジベレリン錠剤を使用する場合の処理液は、水1Lに1錠を溶解し、フルメッ卜液剤5mlを加えて作成する。
適期より早い段階(房尻が未開花の状況)で処理を行うと、穂軸の湾曲や、房形の乱れが発生しやすい。一方、房づくりが遅れた場合や、気温が低い年では、処理時期が遅れると極端な花振るいが発生することもあるので注意が必要である。「ピオーネ」と比較すると、シャインマスカットは処理適期幅が狭いので、処理適期となった花穂を選んで処理する方法(拾い漬け)を推奨する。
露地栽培では比較的生育が揃うため、圃場内における処理期間はおおむね1週間以内となる。特に、短梢剪定栽培では生育が揃いやすいため、処理期間はより短くなる傾向がある。天候を見ながら、1~2日間隔で処理を行うとよい。開花が極端に遅い花穂が散見される場合は、それらの房は果実品質が優れないため摘穂し、処理を切り上げる。
なお、処理の直後に激しい降雨があった場合は、地域の指導に従い再処理を行う。処理に併せて花穂に15cm(5寸)のロウ引きカサをかけておくと、再処理の心配はない。