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病害虫防除の考え方と手段 Grand Concept and Means of Pest Control

春になると眠っていた生き物たちが動き出します。
それは栽培している植物だけではなく、雑草や、害虫や、病原菌も一緒です。本格的に作業が始まる前に、病害虫防除の本を読んでいたら、とてもわかりやすい、かつ、超重要なことがまとまっている文献があったので紹介します。

参考文献:だれでもできる果樹の病害虫防除 ラクして減農薬 [ 田代暢哉 ]

病害虫発生の三要因

防除の考え方を理解するには、まずは病害虫被害の発生要因について理解しておく必要があります。
病害虫の被害が発生するには、以下の三つの要因がすべてそろっていなければなりません

  1. 病原菌・害虫が存在する
  2. 病原菌の感染・発病、及び、害虫の発生・増殖に公的な環境条件が整っている
  3. 樹体が病気に感染しやすく、害虫の加害を受けやすい状態である

これら”全て”そろっている時に発生します。すなわち、病害虫環境弱抵抗、これらの一つでも排除できたら、発病しないで済むのです。

例えば、病原菌が大量にあって、樹体が弱っていたとしても、病原菌の胞子発芽に必要な水分(降雨)がなければ発病しません。病原菌があって、環境が整っていても、受胎が抵抗性品種だあったり、抵抗力が強い場合にはこれまた発病することはありません。

究極的には、樹が丈夫で、伝染病や発生源がなく、発病に適さない園内環境であれば、薬剤散布が不要と言えます。

だれでもできる果樹の病害虫防除 より引用

要因の一つを除くか、それぞれを小さくする

三つの要因全てが揃わなければ発生しないなら、三つのうちどれか一つを取り除いてしまうか、要因の大きさを小さくしてうまくかわせばいいわけです。
その方法や組み合わせの一つ一つが、防除手段ということです。

だれでもできる果樹の病害虫防除 より引用

自分を含めて、「防除とは農薬散布」「農薬さえかけておけば被害を抑えられる」と短絡的に考えがちですが、農薬の使用はあくまでも手段の一つに過ぎないのであって、農薬散布以外にもたくさんやることはあって、それら全部ひっくるめて病害虫防除を行うといえるのです。

農薬の勉強をしようと思って読み始めた本でしたが、出だしから自分の考えが否定され、目から鱗の内容でした。
あらためて、農薬散布以外の防除についても、考え直してみようと思います。

農薬がもたらしたもの What Pesticides Have Done to Us

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