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果実が肥大する仕組み Mechanism of fruit enlargement

ブドウは果実が肥大する時期に入ってきました。ブドウの場合は、「玉が伸びる」と表現します。この時期のブドウには何が起こっているのでしょうか。

参考文献:果樹園芸学の基礎/伴野潔/山田寿/平智

糖の取り込みと水分吸収

果実が肥大する仕組みは以下のようである。業から転流してきたショ糖(スクロース,バラ科果樹の場合はおもにソルビトール)は,維管束またはアポプラスト(apoplast)を経由して果肉細胞に取り込まれる。維管束経由はエネルギーを必要としない拡散現象(diffusion)による移動であるが,アポプラスト経由は細胞膜を通過するときにATPエネルギーを必要とする能動輸送(active transport)である。果肉細胞にはいったショ糖は液胞膜を通過して液胞中に蓄えられるが,ブドウ糖や果糖に代謝変換されて蓄えられることもある。

果樹園芸学の基礎/伴野潔/山田寿/平智 より引用

細胞の水ポテンシャル(waterpotential)は,圧ポテンシャル(turgor pressure)と浸透ポテンシャル(osmotic potential)の和であらわされる。果肉細胞の糖濃度が上昇すると,浸透ポテンシャルは低下する。その結果,水ポテンシャルが低下し,細胞膜を通して吸水がおこり,果肉細胞は肥大する。なお,このとき細胞壁や細胞膜が伸張できることが不可欠である。このような糖の取り込みと水の吸収が継続的におこることによって,細胞が肥大し果実はしだいに大きくなっていく。

果樹園芸学の基礎/伴野潔/山田寿/平智 より引用

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