日本の農業を支える組織として、JA (農業協同組合)があります。私も組合員ですが、何者なのかわかっているようでわかっていない、そんな存在がJAです。新規就農を機にJAが何者なのか、少し調べてみようと思います。
参考文献:最新版 図解 知識ゼロからの現代農業入門
協同組合とは何か?
JAは、Japan Agricultural Co-operatives の略で、日本の農業共同組合(農協)につけられた愛称です。JA数は611組織(2019年4月)、組合員総数は1051万人(2017事業年度)を数えます。
協同組合は、産業革命により資本主義が発達し、さまざまな社会問題が表面化していく中で、消費者や自営業者の対抗手段の一つとして成立しました。その先駆けになったのが、19世紀半ばにイギリスのマンチェスター郊外で労働者たちが設立したロッチデール組合です。粗悪品や有害な商品の売りつけに対して、自分たちで出資金を出し合い、生活物資の共同購入のための店舗を構え、今日の協同組合の出発点になりました。また、イギリスでは、高利貸しに悩まされた商工業者や農家の信用組合が発達しました。
国際協同組合同盟(ICA)は、1995年に新たに協同組合原則を制定しました。そこでは協同組合を、「共同で所有し民主的に管理する事業体を通じて、共通の経済的・社会的・文化的ニーズや願いをかなえるために自発的に結びついた人々の自治的な組織である」と定義しています。
力を持った一部の資本家が支配するのではなく、経済的に弱い立場の人々が力を合わせて、民主的に事業を展開してゆくのが協同組合です。その仕組みの大きな特徴は、事業への出資、事業の利用、事業運営への参加、が三位一体になっていることです。