農家になって一年。
最近痛感していること、それは、農家を営むにあたっって技術はもちろん重要な要素ですが、何よりも大事なのは、仕事を回す段取り。ということです。
「間に合ってるかい?」が挨拶代わり
畑で、街で、出荷場で、農家の先輩方と会うと「間に合ってるかい?」から会話が始まります。
ブドウ栽培は非常に手間のかかる仕事です。繁忙期となると、その仕事量は膨大で常に仕事に追われています。
この挨拶習慣は、追われる仕事に対して、いかに「間に合わせて」仕事を回してゆくかが営農のキモになるということをよく表していると思います。
先を見越していかに段取りするか
自分のような農家初心者は、目の前の仕事をこなすのが精一杯。はっきり言って余裕がありません。
目の前の仕事にとらわれて、同じ仕事をひたすらやってクタクタになって1日が終わる、、ということがよくあります。
必死になって仕事をしてる感覚を得て、一定の満足感に浸ることはできるのですが、実は他の圃場の作業適期を逃していたり、準備不足で仕事の効率が落ちていたり。小規模の圃場に絞って一点集中で営農するなら仕事が回ってゆくかと思いますが、いいブドウをたくさん作ることを考えると、これではイイ農家とは言えません。
肥料をどうする、防除をどうする、枝管理をどうする、といった園芸技術はもちろんベースとして重要ですが
全体を見通して、今やるべきことは何なのか、労力をいかに分配してゆくか
を考えて実践できることが農家の超重要な仕事なのです。
例えば、
- こまめに畑を巡回してどこの畑から作業始めるべきか決めとく
- 摘粒作業が始まる前に、足場が良くなるように草刈りをしとく
- 明日防除に出るなら、前日に農薬在庫と希釈倍を確認しとく
- 来週は勝負の一週間。今週は早めに上がってビールを飲んで早く寝る。などなど
頭では分かっていても日々の仕事に追われているとこういった段取りがおろそかになってしまいます。
学びと慣れで乗り切るのだ
このような段取りは私のような新米農家が一番苦手とするところです。
幸いにも、周りにはお手本になる先輩農家先生がたくさんいます。
先輩農家との雑談の中で、段取りのキモを教わったり、今何やってるか聞いたり。すぐにはうまく仕事を回せるようにならないかもしれませんが、たくさん教わってステップアップしてゆきたいものです。
あとはがむしゃらにやって慣れるしかない。今年はうまく回せなくて失敗した事を忘れないようにして、来年に繋げられるようにしたいと思います。
たくさんの失敗もありましたが、何とか今年も収穫シーズンを迎えることができました。収穫適期を逃さないように、うまく段取りして収穫をすすめていこうと思います。