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水ストレスと植物への影響 Water stress and the effects on plants

参考文献:果樹園芸学の基礎/伴野潔/山田寿/平智

水ストレスとは

土壌中の水分のうち、植物が根から吸収できるのは、永久しおれ(萎ちょう)点(permanent wilting point)から圃場容水量(field moisturecapacity)までの水であり,これを有効水(available water)という。有効水の量は土壌の種類によってちがい.粘土質土壌では多いが砂質土壌では少ない。したがって.砂質土壌ほど水分が不足しやすい。
利用できる水分が不足し、植物がなんらかの影響を受けることを水ストレス(waters tress)が生じるという。水ストレスは,干ばつ(drought)だけでなく,湿害(waterlogging injury)によっても発生することがあるので注意が必要である。

果樹園芸学の基礎/伴野潔/山田寿/平智 より引用

水ストレスと植物の生理機能

下表は,植物の生理過程が,どの程度の水ストレスで影響を受けるかをまとめたものである。細胞の成長やタンパク質の生合成が水ストレスに最も敏感に反応し続いて気孔が閉鎖し,さらに水ストレスが強くなると光合成や呼吸機能が低下する。光合成が抑制されると,糖の蓄積が阻害されることはいうまでもない。

果樹園芸学の基礎/伴野潔/山田寿/平智 より引用

下表は,ウンシュウミカンの光合成速度と葉の水ポテンシャルとの関係をみたものである。-1.5MPa以下では,水ポテンシャルが低下する(水ストレスが強まる)と光合成速度が低下することがよくわかる。

果樹園芸学の基礎/伴野潔/山田寿/平智 より引用

水ストレスと樹の成長, 果実肥大

水ストレスは,果樹の樹体各部の成長にも影響する。なかでも果実の肥大成長への影響が大きいが.発芽してまもない時期や新梢伸長期の水ストレスは,葉を萎ちょうさせたり,落葉させる。
肥大成長期の果実は,朝から夕方にかけて収縮し.夕方から夜間に肥大するという,日変化をくり返しながら大きくなっていく。つまり,葉からの水分蒸散が盛んな昼間は,葉の水ポテンシャルが低下して水分が不足するので,樹体内の水分は果実から葉へ移動する。夜間は葉の水分不足が解消されるので.水や光合成産物は果実へ運ばれ,果実の肥大が促進される。しかし, 樹が強い水ストレスにさらされると,夜間の肥大が十分でなくなり.果実の肥大が停滞する。

果樹園芸学の基礎/伴野潔/山田寿/平智 より引用

耐乾性と耐湿性

このように,水ストレスは樹体の成長や果実の肥大に大きく影響するがその程度は果樹の種類によってちがう。下表は,おもな果樹の耐乾性(drought resistance)と耐湿性(waterlogging tolerance)を比較したものである。耐性は,同じ樹種でも品種や台木の種類さらに樹齢でかなりちがうことも知られている。

果樹園芸学の基礎/伴野潔/山田寿/平智 より引用

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