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果実が甘くなる仕組み How the fruit becomes sweet

参考文献:果樹園芸学の基礎/伴野潔/山田寿/平智

糖の蓄積と酸の減少で甘くなる

果実が甘くなるのは,大きくなるのと同様葉から運ばれてくる糖類の蓄積によるが,有機隊の減少がともなわなければならない。
ショ糖の甘味度を100とすると,プドウ糖は約70, 果糖は約120~170なので,ショ糖がブドウ糖と果糖に分解されると,甘味度が1.5〜2倍に増える。また,ソルビトールの甘味度は60程度であるが,ブドウ糖や果糖に変換されるとより強い甘味を感じるようになる。

果樹園芸学の基礎/伴野潔/山田寿/平智 より引用

有機酸は果実の成熟につれてしだいに減るが,1%以上の濃度で強い酸味を感じるとされているので,果実が甘くなるためには一定濃度以下に減ることも重要な要因である。

糖の蓄積過程

葉から維管束を通って果実に運ばれてきたショ糖(スクロース)は、そのまま果肉細胞の液胞内に蓄積されるか,インベルターゼ酵素の作用によってブドウ糖と果糖に分解されてから蓄積される。また,いったんブドウ糖と果糖に分解された後再びショ糖に合成されて蓄積される場合もある。
バラ科の果樹ではソルビトールが転流してきた後,プドウ糖あるいは果糖に変換される。それらの糖がさらにショ糖に変換されて蓄積することもある。なお,蓄積した糖の一部は果実自身が呼吸するための基質として消費される。

果樹園芸学の基礎/伴野潔/山田寿/平智 より引用

バナナやキウイフルーツなど,デンプンを蓄積する果実もある。蓄積されたデンプンは,成熟や追熟によって再び糖化され,甘味の増加に貢献する。

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