梅雨が明けて強い日差しの日が続きます。
日差しはブドウ栽培に欠かせませんが、強い日差しが続くと被害が出てきます
ブドウの日焼け
先日、家から少し離れている圃場の袋掛けに行きました。
ブドウの房の上の方の粒が茶色に変色しているのを発見。5日ほど前に草刈りに来た時は、何も異常なかったのに日差しが強くなったこの数日で発生したようです
一緒にいった父親曰く、日焼けだそうです。焼きつりって言ったりもするそうです。
“あちゃー、ブドウが煮えちまったなぁ” と言っていました。
日焼けの原因
主な原因は、高温です。気温が高いのに加えて、日が当たって局所的に房の上の方が特に熱くなって枯れてしまうものです。
想像するに、ブドウがもつ酵素や輸送系といった各種タンパク質の至適温度を超えて生命活動が行えなくなった、またはタンパク質群自体が高温で変性してしまったものと思われます。
父親曰く、高温はもちろんですが、ブドウの木のパワーが足りなくて暑さに耐えられなかったのが1番の原因じゃねぇかなと言ってました。
- ブドウってのは頭がいいから、自分が許容できる範囲になるように自分で調節するもんだ
- たくさんブドウならせすぎちゃって、こんなに無理だって思ったら許容範囲になるように自分でつぶを枯らせる
- 木の力が足りないってことは、葉の茂りが足りないってこと、葉が足りないってことは根っこが十分張ってないってこと
らしいです。さらっと重要なこと言うから困ります。
この圃場のこの現象覚えておいて、今年の冬は土づくりに力入れて、来年はぶどうならせすぎないように気をつけるぞ。となりました。
夏休みに入ったヤングファーマーもお手伝いです 美味しくなれ!と唱えながら袋掛け
ポジティブ足りない。このくらいで済んでラッキーと思え
日焼けした粒は落とさなきゃいけない訳で、せっかく粒抜きで整形した房の形が崩れてしまうので商品価値が落ちてしまいます。へこんでいる私に、またしても父親が一言。
- 全滅にならなかっただけラッキーと思え
- 袋かける前に選別できるんだから今症状出てもらえてよかったじゃねぇか
確かにその通り。苦しい中でも木が頑張ってくれて、生かせる粒は残った訳です。
加えて一言。
- こんなんでへこたれてたら百姓なんてやってけなねぇぞ
- 色々経験できていい年に百姓に入ったってもんだ
- こういう被害が出ること想定して、圃場や品種を分散させてるんだから大丈夫だぁ
ぶどう農家歴50年。
この”ポジティブ足りない”思考、70過ぎのおっさんですが、一瞬、春木開さんかと思いました。
出荷まで気を抜かずに
調子良く見えていたブドウも気候や手入れ次第で、数日で一変してしまう、と言うことを痛感しました。
これから台風も来るかもしれないし、旱害が来るかもしれませんが、適度に心配しながら、でもポジティブ思考も忘れずに、箱に入れて出荷するまで気を抜かずにいこうと思います。
袋掛け作業はまだまだ続きます。
それでは!
ブドウの袋かけ Keep Growing in the Shell
農業と分散投資 Farming and Diversified Investment.