[農業情報マッチョになりたい] ブドウ農家のブログです

「のれん」っていう勘定科目 An account called “NOREN”

簿記の勉強をしています。簿記って急に堅苦しい表現が多いのですが、急に「のれん」っていう親しみのある言葉が出てきて、何それ!と惹きつけられました。

無形固定資産「のれん」

この、「のれん」という勘定科目は、固定資産の単元の中で出てきました。

  • 固定資産
    – 有形固定資産 (車両運搬具、備品、建物、土地など)
    – 無形固定資産 (のれん、特許権など)
    – 投資その他の資産 (投資有価証券、長期貸付金など)

難しそうな科目の中に急に現れる「のれん」。異質です。

のれんはそのまま、暖簾わけの、のれんの意味ですです。
企業の合併・買収の際に登場する勘定科目です。テキストでの概要は以下。

のれんとは,ある企業の平均収益力が同種の他の企業のそれよりも大きい場合におけるその超過 収益力の原因をいいます。 のれんは企業という1つの組織の中に存在するものであり,会計上,それが認められるのは企業 を全体として取引する場合においてのみです。 会社法においては,のれんの計上が認められるのは事業の譲受(買入)または合併などにより, 企業を全体として評価する場合に限られ,自己創設のれんは計上が認められていません。

クレアール商業簿記2級

のれんの仕分け

具体的な例だと、
同業他社のA社の事業を譲り受けることとなり、譲り受けた資産の評価額は、建物¥1,000,000、備品¥1,000,000、であった。譲渡代金¥3,000,000は小切手を振り出して支払った。この時の仕分けは、、、

(借)(貸)
建物 ¥1,000,000当座預金 ¥3,000,000
備品 ¥1,000,000
のれん ¥1,000,000

①買収した企業にかかる資産、負債を時価で受け入れ、
対価として支払った金銭等(取得原価)と、①との差額を「のれん」として処理します。
“資産&負債の時価<支払った金額” の差額がのれんです。

考え方は、
事業を買う側で考えると、建物や備品のように、目に見える資産の他に、取引先との関係や、ノウハウ、従業員のチームワークなど、企業を丸っと買収することで得られるメリットがあります。このメリットに対して、対価を売り手に払い、無形の固定資産として計上しよう。という考え方です。なかなか粋な名前だなぁと思います。

こののれん、固定資産なので、減価償却の対象で、20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって,定額法その他の合理的な方法により規則的に償却します。簿記ってドライですね。

注意したいのは、「負ののれん」のケースもあることです。”資産&負債の時価>支払った金額” の場合、負ののれんになります。
買ってあげるけど、いろいろ難ありなので、安く買わせてもらいます!というケースですね。これは売る側からしたら避けたい。
あと、自分の会社でには、こんなにも高額なのれん資産があるのだ!と自分で創設して貸借対照表に載せるのもNGです。

「のれん」を生み出せる農家になりたい

例えば、自分が営んでいるブドウ農家事業、もしかしたら、自分の引退時に、誰かに買ってもらえることがあるかもしれません。
そんな時、畑や農機具といった有形の固定資産の時価に加えて、「彼の農園は、管理もしっかりされてるし、取引先&得意先との関係も良好だから上乗せでこれだけ払うよ」とたくさん “のれん” を計上してもらえるようになりたいものです。

*ちなみに、この科目、英語で言うと、
のれん:Goodwill
と言うようです。直訳すると、親善、友好、善意。
やっぱり日本人には、暖簾、がしっくりきますね。

マネーフォワードクラウドで農家の確定申告 Farmers’ Tax Returns with Money Forward Cloud

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です