[農業情報マッチョになりたい] ブドウ農家のブログです

農家は草と合戦である Fight Against the Grass

梅雨もそろそろ明けそうで暑くなってきました。
ブドウ農家は粒抜き作業真っ最中ですが、今日は気分転換も兼ねて草刈りです。

畑の風通しをよくするために

乗用草刈り機で草刈りを行っていますが、どうしても畑の端っこの方は入ってゆけないので草が残ります。
これを放置してしまうと、風の通り道が塞がれてしまいます。畑に湿気が溜まってしまうとブドウの病害に繋がりますので、風通しをよくするために定期的に端っこの草を刈ってあげます。
除草剤をまくという手もあるのですが、ブドウの木が弱ってしまうので、極力使いたくない。草が枯れて茶色くなってるのは見た目も良くないですしね。

夏の前の草刈り Keep the Field Clean.

ビーバーで草退治

ここでビーバーの登場です。アームの先で刃が回転するあれです。何でビーバーっていうか調べたところ、山田機械工業さんという会社が作っている草刈機の商標で、そこから名前が広がったとのことでした。
最近は電動のものも出ていますが、我が家のは4サイクルエンジン式です。電動のものも使い勝手良いと聞きますが、エンジン式はやはりパワーあります。また、エンジン式は電動式と違って音が出るので周りの人に気づいてもらえるので安全上の利点もあります。重いですけど。。
エンジン式で爆音を鳴らしながらここで草刈りやってるよ!ってアピールしながら草刈り作業開始です。

農家は草との合戦である

作業中にAMラジオを聴いていたら、徳冨蘆花という方の“草とり”、という随筆が聞こえてきまして、今の俺まさにこれやんと思ったので、紹介します。徳冨蘆花は明治時代の小説家で、半農生活を送っていたそうです。

参考 徳冨蘆花 草とり青空文庫

六、七、八、九の月は、農家は草と合戦である。

飯焚く時間を惜んで餅を食ひ、茶もおち/\は飲むで居られぬ程、自然は休戦の息つく間も与えて呉れぬ。

徳冨蘆花 草とり

まさにこれ、自然は休戦の息をつく間も与えてくれません。草刈りしてしばらく経つともうもうボーボーです。徳冨さん、令和の時代も同じですよ〜

昔の人たちも雑草と戦っていたことを知ってなんだか励まされたのと、昔はビーバーなんて文明の力はなかったわけで、さぞ大変だっただろうと思いを馳せます。

己が為に草を除るのだ

徳冨さんはこうも言っていました。

己が為に草を除るのだ。生命の為に草をとるのだ。敵国外患なければ国常に亡ぶで、草がなければ農家は堕落して了ふ。

徳冨蘆花 草とり

敵がいるからシャキッとできる。イイこと言いますね〜
草退治は終わりのない重労働ですが、草に生かされているのかもしれませんね。
草との戦いはまだまだ続きます。

それでは!

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