気温も上がり、ブドウの芽が徐々に大きくなてきました。この芽の中にすでにブドウのベイビー入っているのですが、その営みは約一年前から始まっています。
参考文献:最新農業技術 果樹 vol.8
花芽の分化は一年前から始まっている
ブドウの花芽の分化は、それが開花・結実するほぼ一年前に遡ります。調査によると、キャンベルアーリーや、デラウエアでは7葉展開期に、甲州では9葉展開期に、ブラックハンブルグでは14展葉期に分化が始まります。当初分化するのは一つ一つの小さな花ではなく、花穂全体の原型というべきもので、これを花穂原基と言います。
たいていの品種では新梢基部から3~6節位あたりの腋芽内で花穂の分化が始まり、その後、それより先端及び基部の節へと分化が広がってゆきます。これは副梢の発生の順序と全く同じで、副梢の伸長が始まるとまもなくその節の腋芽内で花穂の分化が始まると考えられています。ごく基部の腋芽、すなわち基底芽、1芽、2芽あたりまでは花穂の原型が形成されていない未発達のものが多いです。
小さい芽の中にすでにいくつもの花穂原基が
普通は一つの芽の中に、第1花穂と第2花穂の原基が形成され、品種によっては第3、第4花穂の原基まで形成されるものもあります。甲州とデラウエアについての調査によば、第1花穂が5~6月に分化してから20日後に第2花穂が分化します。デラウエアでは、その約20日後の7~8月に第3花穂が 分化、第4花穂の分化は8~9月に行われます。