[農業情報マッチョになりたい] ブドウ農家のブログです

土壌の物理生 Physical properties of soil

土壌の勉強をしていますが、面白い、奥が深い。
土壌の特性には、主に、物理性、化学性、生物性がありますが、
今日は物理性 (構造)について。

参考文献:環境・資源・健康を考えた土と施肥の新知識

保水性と透水性

農業生産のための「良い土壌」の条件として、保水性(水もち)と透水性(水はけ)に優れることが大切です。
水もちが良すぎても根腐れが起きてよくない、水はけが良すぎても肥料持ちが悪くなって良くない。
バランスが大事です。
土壌の保水性や透水性を左右する要素が、土壌の物理性(構造)になります。
物理性は土壌中に含まれる砂、微砂、粘土の含有量に基づきます。これらの含有量の違いで、決まるのが土壌の土性です。

自らの畑の土性を知るために、これら砂、微砂、粘土の含有量を詳細に分析すれば理想的ですが、実際の農業の中で行うのは大変です。そこで、より簡易に土性を判断する方法があります。すごく簡単で、親指と人差指の間に少量の土壌をとりこね合わせる。この感覚で土性を判断します。

環境・資源・健康を考えた土と施肥の新知識 より引用


ザラザラ、チョイツル、ツルザラ、チョイザラ、ツルツル。
超アナログな方法ですが、学会で決められた立派な判定法だそうです。
栽培する作物によって理想な土性は変わりますが、程よい保水性と透水性を持つ理想的な土壌はツルザラ。

我が家の畑、今は雪に覆われていて検査できませんが、雪が置けたら、端から触って、こねまくってみたいと思います。

土壌の団粒構造

理想的な土壌の物理性でもう一つ大事なのが、程よい団粒性。
土壌中に隙間を作って空気や水分を溜める力を土に持たせます。そのために、単純な単粒構造ではなく、粒子が団粒構造を形成させてあげることが大事です。

環境・資源・健康を考えた土と施肥の新知識 より引用


安定した団粒構造を作るには土壌粒子を接着する「のり」が必要で、そのためには土壌に有機物を適切に施用する必要があります。
土壌中の微生物が有機物を分解する際に「のり」が分泌され、それが土壌の団粒化を促進します。

ここで注意しなきゃいけないのが、団粒の破壊。例えば、畑の中で大きなトラクターを走らせすぎると、せっかくできた団粒が破壊されてしまいます。トラクターの通り道で過度に圧迫された箇所は、必要に応じて耕うんしてあげるのが肝心です。

表面張力と根圧

程よい土性と団粒化で理想的な構造になった土壌は、程よく水を含んでくれます。
この土の中の水を根っこが吸収して樹体内に巡らせる訳ですが、土の中では、
表面張力と根圧のせめぎ合いが起きています。

土壌粒子間隔が広すぎると、重力が表面張力に勝って水が下に落ちていってしまいます。
かといって、土壌粒子間隔が狭ずぎると、根圧(根っこが水を吸い上げる力)が負けてしまって植物は水を吸えません。
一般的に、土壌粒子間隔が0.0002~1mmであれば根圧が勝り、0.0002mm以下だと表面張力が勝ってしまうとのこと。うーん、この数字は流石に指では計れない。いいアンバイの土を、生えている樹の様子を見ながら、感覚で掴むしかなさそうです。

環境・資源・健康を考えた土と施肥の新知識 より引用

いつも何気なく畑で見ている土ですが、見どころは意外にもたくさんあることがわかりました。
できるところは数値化しつつ、感覚もうまく使いながら、我が家の土壌の把握と健康管理ができる農家になりたいと思っています。

それでは!

「土」と「土壌」の違い What is Soil?

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