ブドウを種無しにする処理として、ジベレリン処理が有名ですが、あまり知られていないのですが補助的な役割としてストレプトマイシン処理を行う必要があります。結核の治療薬として有名なあのストレプトマイシンです。
無核化の補助剤 ストレプトマイシン
「シャインマスカット」は、ジベレリン(GA)処理だけでは、完全無核化が難しい品種であり、年によっては有核果が混入してしまうことがある。
これに対し、無核化の補助剤として、アグレプト液剤(有効成分・ストレ。フトマイシン20%)1000倍を満開予定Hの2週間前(おおむね展葉9ー10枚頃)に散布する。剤の登録では浸漬処理も可能である。現場の使用実態を見ると、第1回目ジベレリン処理液への加用処理も認められるが、アグレプトの無核化効果は処理時期が早いほうが高い傾向がある。樹勢の低下などにより有核果が混人するおそれがある樹では、満開2週間前に処理する。
また、花穂に直接、散布液がかからなくても、一定の無核化効果が認められる。よって、隣接園で種ありブドウを栽培している場合は、飛散しないよう十分注意する。
作用機構については十分に解明されていない
なぜストレプトマイシンで無核化?と思い調べてみましたが、作用機構については十分に解明されていないのが現状のようです。
ストレプトマイシン処理により,胚珠の発育が阻害されることが主原因ということまではわかっているようです。
メカニズムの本格解明はこれからのようですが、ストレプトマイシンの効果の発見の経緯が非常に面白い。
モモ園に隣接したブドウ樹で単為結実が起こっていることが発見され、その原因が、モモのせん孔細菌防除のために散布されたストレプトマイシンでによる現象であることが確認されたそうです。
いくつかペーパーがありましたので、参考に記載です。
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010322335.pdf
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010762302.pdf
参考 シャインマスカットで行われるストレプトマイシンによる無核化日本植物生理学会