[農業情報マッチョになりたい] ブドウ農家のブログです

温度とブドウの新梢生長 Temperature and Shoot Growth

春の新梢生長には、さまざまな環境条件が影響を与えます。
大きな影響を与える因子の一つが、温度です。

参考文献:最新農業技術果樹 vol.8

新梢の初期生長は温度条件によって支配される

発芽の早晩、新梢の初期生長は温度条件によって大きく支配されます。これは、体内の貯蔵養分の移行や代謝、そのためのエネルギーを生産する呼吸などのいずれもが、温度が高いほど活発に行われるからです。
15~35度の範囲内では、初めは高温ほど急速に伸びますが、途中から35度、次いで30度は生長が衰え、一ヶ月後には25度で生育したものが最もよく伸びています。
このように、高温条件下では、貯蔵養分が豊富にあるうちは急速に生長しますが、それだけ呼吸消費も早く大きいため、より低温の区より早く生長を停止します。

最新農業技術果樹 vol.8 より引用

高温ショック、低温ショックに注意

ただし、短時間でも極端な低温や高温に合うと、直接的な障害を受け、適温に戻しても回復しなくなります。デラウェアの新梢生長初期の高低温と芽や枝葉の障害との関係を調査した実験によると、40度に5時間、-1度に1時間が限界で、45度、-1に数時間合うと明らかな障害が発生します。

最新農業技術果樹 vol.8 より引用

春の新梢成長の時期に、ハウス栽培の場合は日中の高温、露地栽培の時は遅霜に気をつけろとよく言われます。
ブドウが成長のスタートダッシュをかけているこの時期に、極端な温度ショックがかかると取り返しのつかないダメージを負ってしまいます。
露地栽培の我が家では、温度管理は自然任せになってしまいますが、可能な限り樹が健康な状態を維持できるようにして、ショックに強い樹になるように努めます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です