[農業情報マッチョになりたい] ブドウ農家のブログです

他者を受け入れられる文化 The Culture That Accept Alien

カリフォルニアで家族で生活していた時の話です。
ある日仕事を終えて家に帰ると、妻が泣いています。噂に聞いていた、”駐在妻うつ” かなぁと思い戸惑っていると、どうやら違うらしい。話を聞くと、嬉しくて泣いているといいます。何があったかと言いますと、、、

しゃべれないあなたが悪いのではない、聞けない私が悪いのよ

子供の小学校の迎えに際、英語のしゃべれない妻は、日頃存在感を消して、コンタクトを避けるように周りのママ達と距離をとって迎えに行っていたそうです。ですがたまたまその日は現地ママグループに話しかけてもらい会話が始まったとのこと。話の中でいろいろ質問を受けますが、聞き取れないし、喋りたくても言葉が出てこない。
困り顔で”アイムソーリー”を連発していたとのこと。そんな彼女をみて、あるママがかけてくれた言葉。

あなたは謝る必要ないのよ。あなたが悪いのではない、あなたは英語を話そうと頑張ってる。それを聞き取れない私が悪いのよ

こんな内容を妻にもわかるように、ゆっくりと、わかりやすい単語を選んで話してくれたそうです。
妻はその場で泣き出してしまったそうです。嬉し泣きです。張り詰めた緊張がほぐれ、堰を切るように涙が出てきたと言います。

壁を作ってるのは相手じゃなくて自分

自分も含めて外国の方と話す際、すごく緊張しますし、できるだけ話さないようにしたい、という心情を持ってしまいます。英語をしゃべれない自分は会話に入る資格ないんじゃないか、自分が会話に入ると話が止まってしまうんじゃないか。でも意外と相手はそんなに気にしていなかったりします。相手ではなく、自分で勝手に壁を作ってしまっているんですね。子供に比べて、大人の方がこの壁作りをしてしまう傾向があると思います。

ひとしきり泣いた妻はその後、彼女達ともっと話したい、と一念発起し現地の英語レッスンに通い始めました。また話しかけてくれたそのママ友とは仲良くなれて、子供たちも友達になり、家に遊びに行ったり一緒に公園で遊んだりするようになりました。
話を聞くと、彼女自身もギリシア系のアメリカ人。今でこそ英語に不自由は感じないとのことですが、子供の時に渡米した時は彼女自身も英語で苦労したとのこと。いつも困り顔をしている妻のことを他人事とは思えなかったとのこと。カリフォルニアでの恩人です。

他者を受け入れる文化。英語は必須ではない!

さて、ここ日本に置き換えるとどうでしょうか。
こんな経験ありませんか?

日本の観光地に行って、地図を片手に困っている外国人観光客を発見。
やばい、道を聞かれそう。うつむきながら通り過ぎようとすると、
外国人観光客: スミマセン!
やっぱりきた〜脇汗出てきた。
外国人観光客: ワタシココ二イキタイノデスガ!
食い気味で、アイムソーリーアイキャントスピークイングリッシュ, ソーリー〜 と言って立ち去る。

私は何回もこんな経験あります。無意識のうちに、英語をしゃべれない自分は外国人としゃべる資格ないと勝手に決めつけて勝手にこちらで壁を作っている感じ。でもこれってよく考えるとなんかおかしいし、かなり相手に失礼だなぁって思います。

まず、外国人=英語喋ってる、というのがおかしいです。英語をネイティブスピーカーとしている人の割合は全体の25%だそうです。残りの75%は英語とは違う母国語を持っています。欧米系の顔立ちと思っている方でも必ずしも英語ユーザーとは限らない。アイムソーリーと話しかけられたけど、私スペイン語しか喋れないのに〜、という方もいるのです。

次に、スミマセン!と日本語で話しかけられているのにアイムソーリーと反射的に返すのがおかしいです。高い渡航費を払って、数ある渡航先の中から日本を選んで観光にきてくれてるということは、日本に興味があってきてくれてるということです。多かれ少なかれ、日本の文化に触れたいと思ってくれてるわけだし、日本語使ってコミュニケーション取りたくて、日本語を勉強して喋りかけてきてくれてる可能性大です。その努力に、アイムソーリーと返されたらまさにWhy Japanese People! ってなりますよねきっと。

ここは日本です。英語は喋れなくても日本語はペラペラです。日本語でいいのです。相手が日本語で喋りかけてくれたら、こちらも全力で聞く努力をして、身振り手振りを交えながらわかりやすい日本語で返してあげれば、きっと相手にも伝わるし、感謝もされるはずです。きっとその瞬間、あなたはもはや民間外交官!

言語学習が壁を小さくしてくれる

もちろん、日本で生活していても言語を学ぶことは有益です。でも、英語しゃべれなきゃだめだって脅迫観念に縛られる必要はないと思います。今の時代、やっぱり英語は世界でもっとも普及してる最強言語だし、使えると仕事でもプライベートでもメリット多いのは事実。でも韓国が好きだという方は韓国語、ロシアが好きだという方はロシア語でいい、自分が必要とする目的に合った言語を選択して勉強してゆけばいいのです!デフォルトで使える日本語に加えて使える言語が増えれば、自然と作ってしまってた壁も徐々に小さくなっていくはずです!
自分の場合はUSの文化が好きだし、もっとUSの人と喋れるようになりたいので、英語を選んで勉強続けてます。

USで妻を解放してくれたご婦人、元気かなぁ。日本で困っている外国人を見かけたら、あのご婦人のような姿勢で接することができる自分でありたいと思っています。

それでは!

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