できるだけたくさんの実をならせてたくさん収穫したいのが農家の心情で、実を間引くのが勿体無い、と思ってしまいますが、間引き(摘果)をしない方がよっぽど勿体無いのです。
参考文献:果樹栽培 実つきがよくなる「コツ」の科学
摘果の重要性
「摘果」とは、まだ小さな状態の果実(幼果)を間引くことです。果実をならせすぎると隔年結果(豊作と不作をくりかえすこと)をすることがありますが、適期に摘果することで、毎年安定した収穫が期待できます。
さらに、摘果によって、果実の品質が高まります。摘果で1個当たりの果実に届く養分が多くなることで、果実のサイズが大きくなり、糖度が高くなるのです。「果実を間引くのはもったいない」という声を耳にしますが、翌年の実つきの面でも今年の品質の面でも、「摘果しないほうが断然もったいない」ので、ぜひとも適期に摘果しましょう。
隔年結果とは? What is biennial bearing?
葉果比という概念を目安に
果実を間引く際には、「葉果比」を目安にします。葉果比とは果実1個を大きく甘くし、そして隔年結果させないために必要な葉の枚数です。葉の枚数をおおざっぱに数え、下表の葉果比で割って、残す果実の数を算出します。例えば、ウンシュウミカンは葉果比25枚なので、100枚の葉がついた木なら4果残して他の果実はすべて間引きます。