ブドウの収穫を終えると、今年も無事終わった、ゆっくりできる!
気を抜きがちです。ですが、冬の前の収穫後のこの時期が、翌年のスタートに向けた重要な時期なのです。
参考文献: 基礎からわかるおいしいブドウ栽培 小林和司著
収穫後の葉で翌年のスタートが決まる
収穫後から落葉までは、樹勢の回復や樹体内ヘの貯蔵養分の蓄積のための大事な時期です。
この時期にはで生産された養分は、枝や幹、根などに蓄えられて翌シーズンの生育のエネルギーになります。
つまり、養分工場たる葉っぱには、収穫が終わったらお役御免なのではなく、もう少し頑張ってもらう必要があります。
収穫後の葉を健全に保つために
文献によると、収穫後の時期の葉を健全に保つためにやっておくことがいくつかあります。
新梢の摘心
新梢が伸び続ける場合、伸びている新梢の先端を摘心し、伸長を抑える必要があります。寒くなり始める中、葉が頑張って生産してくれている養分が、新梢の成長のために無駄に使われてしまうことを避けるためです。
早期落葉防止
通常、健全な樹では、気温の低下とともに葉は徐々に黄色くなり、その後一斉に落葉します。落葉まで葉を健全に保つために、土壌の乾燥、過湿を避ける必要があります。こまめに畑を観察して、必要に応じて収穫後の灌水及び排水管理を行う必要があります。我が家がブドウ栽培している信州中野付近は、秋にもある程度降水があり極端に乾燥することはないので、観察は怠ってはいけませんが、秋の灌水は必要ないと思っています。
礼肥
文字通り、お礼としての肥料です。一年間頑張ってくれた樹体に感謝の気持ちを込めて肥料をまきます。落葉防止のために苦土(マグネシウム)や、チッソをまきます。目安は、10aあたり2kgくらいが目安。
*この礼肥は、収穫が遅く収穫後から基肥の施肥までの期間が短い場合は必要なく、過剰になりすぎないように注意が必要です。
樹に感謝しつつ来年に向けてのスタートは始まっている
ブドウ農家の仕事は、収穫で終わりではないということですね。収穫は単に一つの節目に過ぎず、収穫が終わった瞬間から次シーズンに向けての活動は始まっている訳です。農家の仕事はシームレス、気を抜くことができません。
それでは!
冬のブドウの枝の中 Inside of the Vines in Winter 次シーズンに向けて肥料まき Spreading Fertilizer for Next Season